筆者 野崎 亮太
東京大学 理学部数学科 卒業
埼玉県立福岡高等学校 教諭

個人的なコメント
数式の展開の説明が丁寧とは言いがたい。
よく止まります。
イラストがあると直感的にわかる部分があるのですが、
そういったイラストを省いているように思われる。

微分方程式とは何かという、総論的な説明が、うまく出来ているのか
ちょっと疑問が残る・・・。

テイラー展開の証明を後回しにしていながら、いきなり、
対数や、三角関数級数展開していくというやり方は人によってはツライかも
しれない。
たしかに、このテクニックをいきなり使うことで、オイラーの公式の証明などが、
ショートカットできているのはスゴイと思った。

物理プロパーの人が、数学の解説をやると、時節いい加減さがつきまとう。
理学部数学科の人が、書いているので、「考え方」「厳密さ」といったものを
丁寧に追っていこうとする姿勢が感じられる。

道具としての微分方程式

道具としての微分方程式

+ 第1章 微分方程式を解くための助走
++数学は難しくなんかない?!
++目標
++運動をつかまえる
++時間→数直線
++物体→点
++位置→座標
++変化→関数
++関数を式で表すこと
++自然解析の役者たち
++関数たちの関係
++関数のグラフ
++図形・関数・式
++楕円

+ 第2章 細かく刻んでローカルに見る・・・微分
++速度・加速度→微分
++加速度
++微分の計算

+ 第3章 寄せ集めてグローバルに見る・・・積分
++移動距離→積分
++微積分の基本定理
++積分と面積
++積分の計算

+ 第4章 世界は微分方程式が支配する
++ニュートン運動方程式
++なぜ法則は微分方程式で書かれるのか
++微分方程式を立てることの意味
++微分方程式を解くことの意味
++物理学の法則の意味

+ 第5章 すべては一つの微分方程式から
       「ニュートンの理論」(運動の法則)

++運動の解析1:自由落下
++運動の解析2:水平投射
++運動の解析3:バネの振動
++運動の解析4:抵抗のある落下
++ロジスティック方程式
++運動の解析5:懸垂線(けんすいせん)

+ 第6章 関数の展開ー整級数展開とフーリエ展開
++再び関数とは?
++無限級数が関数を定義するとは?
++整級数展開
++級数の収束範囲
++級数展開の利点と弱点
++解析接続
++なんで級数展開をネチネチやるのか
++整級数展開の例
++フーリエ級数展開
++フーリエ展開の実例

+ 第7章 惑星の運動ーケプラーの法則運動方程式から解く
++万有引力
++2次元極座標
++面積速度一定(ケプラーの第2法則)
++楕円軌道(ケプラーの第1法則)
++公転周期(ケプラーの第3法則)
++惑星運動の位置と時間

+ 第8章 線形微分方程式ー自然解析の一つの型
++微分方程式の定義
++線形と非線形
++抵抗がある場合の振動
++自然は型を好む

+ 第9章 偏微分方程式ー多変数の方程式を微分する
++偏微分の考え方
++熱伝導方程式
++波動方程式
++ラプラス方程式
++シュレディンガー方程式

+ 第10章 変分問題ー微分方程式を使って極小・極大を求める
++変分の重要性
++最速降下線
++オイラーラグランジュ方程式
++極小曲面
++曲面積
++重積分
++
+ 第11章 非線形方程式ーKdV方程式とソリトン
++非線形方程式は解けない?
++KdV方程式

あとがき
索引
参考図書 →めっちゃ充実しています。
+ 第12章