「勝てば官軍」という言葉がまず最初に思い浮かぶ私は
性格が腐っている。

【第三回】 新陳代謝のメカニズム : プレジデント(プレジデント社)

ポール・サフォー (未来学者) より

失敗こそがこの知を刺激し、新しくする。失敗がイノベーションの土台だ。

Failure is what fuels and renews this place.
Failure is the foundation for innovation.
<<

ラリー・ページ (グーグル共同創業者)より

ミスを犯してくれて大変嬉しい。(中略)
もしこうしたミスを犯さないとすれば、
私たちは十分なリスクを取っていないことになる。

I'm so glad that you made this mistake….If we don't have any of these mistakes, we're just not taking enough risk.<<

最近は日本の経営者も「いい失敗なら歓迎する」という意味合いのことはよく口にしていますが、それがいまひとつ伝わらないのは、新陳代謝する覚悟がないからだと思います。失敗はなるべくしないほうがいい、というメンタリティは相変わらずです。<<

新司法試験の平成19年度の問題は、株主代表訴訟ネタでございました。
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h19-19-05jisshi.pdf:H19年民事系

1. 甲株式会社(以下「甲会社」という。)は,自動車の電子部品を製造する会社である。甲会社は
兄弟であるA1とB1が中心となってその設立を行ったものであり,その後も,A1が代表取締
役社長,B1が取締役副社長として,甲会社の共同経営を行ってきた。
2. 甲会社は,平成7年4月に,多角化の一環として,ゲームソフト開発部門を創設した。その際,
B1と親交があったCがゲームソフト開発部門の責任者に就任した。Cの入社を契機として,甲
会社の業績は急速に向上した。甲会社は,平成15年4月には,東京証券取引所(マザーズ)に
上場を果たした。初値は1560円を記録し,その後も,甲会社の株価は1000円台で推移し
た。
3. 甲会社の取締役会は5名で構成され,A1及びその妻A2,B1及びその友人B2並びに取引
金融機関から出向しているDが取締役に就任していた。
4. 甲会社の業績は好調であったが,平成17年の秋以降,過酷な競争にさらされ,その成長に陰
りが見え始めた。これとともに,その経営方針をめぐって,A1とB1との間で争いが生ずるよ
うになり,甲会社の株価も300円前後と低迷した。
5. このような状況下で,自動車部品の総合メーカーである乙株式会社(以下「乙会社」という。)
から,甲会社に対し,自動車部品の製造におけるシナジー(相乗)効果を期待して,経営統合の
話が持ち込まれた。A1は,自動車部品製造の業界における自力での生き残りは難しいと判断し
て,乙会社の提案に前向きの姿勢を見せた。これに対し,B1は,あくまで自主経営を目指すべ
きであるとして,B1を中心とする経営陣による甲会社株式に対する公開買付けの実施について
外資ファンドとの交渉を始めた。甲会社をめぐるこれらの動きが新聞で報道されたことを契機
として,甲会社の株価は平成18年5月中旬には900円台に急騰した。
6. 平成18年6月7日,甲会社は,臨時取締役会を開催して,乙会社に対する募集株式の第三者
割当てを決定した。この件に関しては,甲会社の株主総会は開催されていない。かかる決定に際
しては,B1らの反対が予想されたため,A1は,B1及びB2が海外出張に出かけた時期を見
計らって臨時取締役会を開催することとした。甲会社の定款には,取締役会の招集通知について
会日の2日前までに発するとする定めがあり,当該取締役会の書面による招集通知はB1及びB
2が海外出張中である6月4日に発され,また,B1及びB2は,同日に電子メールでも招集通
知と同内容の連絡を受けた。しかし,B1及びB2は,結局6月7日の臨時取締役会までに帰国
することができず,同取締役会では,取締役5名中3名が出席し,出席者全員の賛成で募集株式
の発行に係る議案が可決された。資料?は,この臨時取締役会の議事録である。
7. 乙会社においても,同日,甲会社株式を引き受ける件について,取締役会で全員賛成の決議が
された。株式を引き受けるに当たり,乙会社では,○○法律事務所に依頼し,意見書を受領して
いるが,資料?は,この意見書の抜粋である。また,乙会社は,甲会社の財務状況及び経営統合
の効果についての調査を△△監査法人に依頼し,報告書を受領しているが,資料?は,この報告
書の要旨である。乙会社がこの募集株式に対して払い込んだ金額は,平成17年12月7日から
平成18年6月6日までの6か月間の甲会社の株価の平均額に90パーセントを掛け合わせたも
のとして算定されている。
8. 海外出張から帰国したB1は,かかる第三者割当ての決定に対して猛烈に反発した。そこで,
A1は,ゲームソフト開発部門事業譲渡等によるB1の独立を提案してB1と交渉を開始した
ものの,その途中に,先の第三者割当てによる募集株式の発行を強行した。結局,B1の独立は
実現しなかった。第三者割当ての実施によって,乙会社は,甲会社の議決権の55パーセントを

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保有する株主となった。なお,第三者割当てによる募集株式発行については,適法な公告が行わ
れたほか,募集株式の割当て及び払込みについての手続に法令違反はなかった。
9. 乙会社の子会社となった甲会社では,平成18年9月29日開催の定時株主総会において,任
期満了となったB1及びB2を取締役として再任せず,また,A1及びA2に加えて,新たに乙
会社関係者を取締役に選任した。
10. 第三者割当ての実施後,甲会社の株価は600円台で推移した。その後,平成18年12月に,
甲会社のゲームソフト開発部門の中心であったCがゲームソフト会社の大手である丙株式会社に
好条件で引き抜かれ,そのニュースが業界誌に掲載されたことにより,甲会社の株価は急落した。
乙会社は,平成18年度(平成18年4月1日から平成19年3月31日まで)の決算に当たり,
甲会社の株価が140円と,取得価格の50パーセントを割り込んだことから,監査法人の意見
に従い,保有する甲会社株式の評価額について1株当たり300円から140円にする減損処理
を行った。
11. Xは,平成17年9月1日に乙会社の株式を1単元購入し,以後これを継続して保有している
株主である。Xは,平成19年5月に,乙会社に対し,甲会社から第三者割当てを受けた当時か
らの乙会社の代表取締役社長Y1及び担当取締役Y2は取締役としての善管注意義務に違反して
甲会社の株式を引き受け,同株式の減損処理による損害を乙会社に与えたとして,Y1及びY2
に対する損害賠償責任を追及する訴えを提起するように求めた。なお,Xは,損害賠償額として,
甲会社1株当たり160円の減損処理額に乙会社の引き受けた株式数を乗じた金額を主張してい
る。

〔設問1〕
甲会社の乙会社に対する募集株式の発行が行われた後において,B1はどのような法律上の措
置を執ることができるか,あなたの意見を述べなさい。
〔設問2〕
Y1及びY2の乙会社に対する責任について,あなたの意見を述べなさい。

会社としての投資が、大失敗に終わったときの、会社トップの法的責任の
生むを考えるというもののようです。
こういうものが、しっかりと機能して、
しかも、なんとか、リスクもとっていくという、バランスを
どうやってとっていくのか?

シリコンバレーの論理は、突き詰めて言えば、「バブルをつくってもいいから挑戦の数を増やせ」ということです。挑戦をするとほとんどは失敗する、失敗した人は1回出て行く、だから新しい人が入る余地がある。失敗した人の再挑戦も含めて、より多くの人が挑戦できるんです。このとんでもないサイクルのダイナミズムのなかから突然変異のようなものが生まれてくる。<<
そういう楽天主義って、どうやって生まれるのだろう。
町全体が、賭博でまわっているように思う。
でも、何回でもやればいいっていう発想が好きだ。
傷をもっている人間にも本当の意味での優しさをもっているように思う。

それを社会全体の論理にする必要はないんだけれども、<<

こういうところがバランス感覚ですね。

ビノッド・コースラという人がこんなことを言っている。
「科学は、何かを10%や20%良くするのではなく、
100倍良くする可能性を秘めている。」

高等教育がもっている潜在的可能性をとても見事に言い表していると
思う。
今まで、数年かけてやることが、ほんの数分でできるようにしてしまう
ような何か。

コースラはサン・マイクロシステムズの共同創業者の一人で、サンの創業時のCEOです。いまはベンチャーキャピタリストとしてITやエネルギー関連のベンチャーに積極的に投資しています。彼の考え方は技術と人間を信頼するシリコンバレー精神の典型です。シリコンバレーって、不連続の、いままで誰も見たこともなかったようなすごいものを生み出すこと以外、存在意義がないんですよ。バーン!と世の中を変える技術が何年かに一度、必ずここから生まれている。アメリカも広いけれども、シリコンバレーだけが、新しいイノベーションを巨大新事業に結びつけるということを、継続的にできている。特別な場所なんです。<<

頭を使って、ビジネスをするということをトコトン突き詰めている。
そこが、いい。
根性論だけではまわらないなにか。
合理性というものに、信頼をおく何か。

 僕は、日本にもいいところは山のようにあると思っています。ただ、唯一創造的な、個から生まれる大型のイノベーションで社会を変えていくダイナミズムがない。とくに最近は出なくなっている。<<

どうしてだろう。
ようするに、学力が足りないからではないかと思う。
もちろん、この原因を一つ一つ、考えることが大事。

この本は、そこをどうするか、という視点から限定的に読んでもらってもいい。9割ある日本の強さの中に、この本で紹介した考え方のエッセンスを注入してもらえれば、日本の「攻めの部分」にスペースがうまれて、若くて優秀な人がそこに流れ込んで鍛えられるメカニズムが出来てくると思うんです。そうなると日本もずいぶん面白くなりますよ。<<

いきつくところはエリート教育。
これが、うまいこといっているのかどうか。
下を支えるという考え方ではダメなのかどうか。

富山和彦であれば、どんなことを言うのか?
とても興味深い。