最近、ふと思うのは、昔、日本があれだけ厳しい累進課税が可能だったの
は、貧しい人も金持ちも、努力という点では大きな差がなかったからではな
いかということだ。

確かに、貧しい人間は学歴も低いし、生産性も低い。でも、一生懸命働い
ている。第一、学歴が低い人たちも、一生懸命勉強していたが、家が貧しい
などで高い学歴が得られないような人や、家の仕事を手伝わないといけない
ような経済的理由で、努力していないように思えなかった。現実に、学歴が
低い人が額に汗して働く文化もあった。

テレビが、勉強している子供がガッコイイようなバラエティ番組を次々つ
くり、新聞が受験勉強批判を続け、国も自治体もゆとり教育政策をとるよう
になると事態は一変した。おりしも、バブル前くらいまでは日本の経済がよ
かったこともあって、貧乏で高校にいけないというような人は一部の地区に
しかいないようになった。大学だって、国立大学ならいけるだろと思う人は
多い。

それに少子化で、無試験で入れる公立高校、私立大学が続出した。

要するに、いっぽうで、名門大学に入るために、遊びたいのをがまんして、
小さいころから勉強させられ、私立の中高一貫校に入り、エリートになる人
が出るのに、いっぽうで、全然勉強しない子供がクラスの3割、4割になっ
ていく。

親たちは言うだろう。

「あの子達は将来食べられなくなるから」

不景気になって、それが事実になった。

「日本のマンガを、外国に売ってくっていけばいい」

「それができるくらいなら、失業はしていないよ、きっと。」


でも、そんなことを、いうのも、ばかばかしくなってくる。