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シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

月曜日は授業がお休みということで、何気なく読んでしまいました。引用をちまちまとするかしないかで、この書評を書き上げる手間暇もかなり違ったことになります。
アマゾンで売っていた1円本です。送料が250円。
実は、ブックオフに徒歩でいって、買ったほうがいいのだろうかとか。そんなことも考える。で、買った文庫本は電子書籍にするのかどうかとか。
この文庫本への筆者の「あとがき」がたしか、2006年夏。
確認しました。
この文庫本が書かれている時代は、ちょうど、マイクロソフトという会社がとても勢いがあった頃。
数年という単位なのに「時代」という言葉を思わず使ってしまうほど、ITの世界は浮き沈みが本当に激しい。
おっと、財務諸表は確認していないので、いまマイクロソフトがどれくらいの存在感なのか、いまひとつピンときません。
マイクロソフトになると、独占禁止法の講義で、アメリカの
ケーススタディ」として出てきたのを思い出します。
この文庫本に書かれている「時期」は、「あとがき」が書かれている「時期」とずれている。
「あとがき」が書かれている時は、GOOGLEという企業の
存在感が圧倒的。
この会社の存在感となると、川西からネット越しに眺めているので、実感がわくような気がしないでもない。
そのあとは、アップルという会社の存在感がどんどん
強くなっていくという流れがあったと。
そう、この文庫を読んでいて、驚くのはそういえば
グーグルの存在感って、最近どうなんだろうってこと。
じっとみてきたから。僕にとってIT業界を見るというのは
グーグルという会社の企業ブログを読みまくるところから
始まっているので。この会社がやることに、毎日注目していて、プレゼン動画もみまくっていたから。
だから、こういうことを書いてしまってもいいのかなとも。
いや、グーグルの存在感すらちょっと最近うすいよなと。
そんなことを思ってしまう。
それくらいに、栄枯盛衰が激しいんだなって。この世界。
そう、この文庫本の中でも、基本的にシリコンバレー
勤務するというのは、想像を絶する競争社会でしのぎを
削るということなのだということが、さんざん、くどいほどに書かれている。それが、いやというほどわかっているのに
どうして、自分はそういう場所にひかれてしまうのだろうという、そういう感覚のようなものまで伝わってくるような内容。まあ、その最初のステップが、やはり「人脈を作っていく」というところからはじまったのかな。そんな気がした。
日本企業のコンサルティングをするにあたって、現地の
プロフェッショナルの人をあつめて、チームにすることが
できるというところなぞ、さすが、一旗あげるつもりで
渡米した人なんだなと思う。
ここの話は、「iPad Webの話をしよう」という書籍に
まとめられているのかな。
そして、こちらのiPadを書名にいれていないほうを
まだ読んでいないことに焦りを覚えるほど、やはり
本当にこの筆者の書くものは、一発一発が重いような
気がしました。
起床時間は朝5時。すごい。
一人で学習する時間を2,3時間確保する。
これは、物理的に不可能というほどでも
なさそう。
朝、はやく起きるのって、大変だよな。
なさけないなと思ってしまう。
そういえば、英語力に関しても、気になるところが。この
本の最後のほうで、筆者は、インド人の宇宙物理学者が立ち上げる会社に元外務官僚と一緒に、資金を投下するという
ことをやる。(このベンチャー投資は失敗に終わったとのこと。)
資金をいれても、大丈夫かどうかをしっかり精査しないといけないから、法律事務所の弁護士や、エンジニアや、企業査定の専門家を呼んできて、とにかくこのインド人の会社を調べたおす。彼らが、どんな事業で一発当てたいのかという
プレゼンテーションを、相当スピードのある英語で
聞いていたらしい。
このリスニングはきついだろうな。聞き間違ったら、
それがそのまま、投資判断のミスにつながりかねない。
こういう事業の流れみたいなものが、東京でも
かなり、根付いてきたのかな。
ライフネット生命という会社が、上場に成功しそうだという
話をニュースでしると、そんな気がしてくる。
日本の新規立ち上げの会社の分類などもおもしろい。
楽天マネックス証券という会社の分析の仕方なども。
たしか、「スーパースター資産家起業」だっけかな。
下請けをやっている会社で、質のいい中小企業もあるとか。
僕、個人なんかですと、このタイプの会社に「共感」の
ようなものを覚えます。
多分、僕の仕事のパターンに似ているからじゃないかなと。
実際、楽天マネックス証券といった会社より
「技術志向」の会社はこういうところにおおいような。
筆者もはっきりそう書いています。
たしか、ゲームソフトウェア開発を下請けで
もらって、しっかり売り上げを上げている会社の存在が
京都にあったような。
受注業務を想像して、これだったら、超人の集団でなくても
できそうな気がしたり。
COCOS2Dみたいなゲームエンジンがどんどんパワーアップされたら、本当に、開発コストが下がって、
中小零細にもチャンスがあるんじゃないかなとか。
そんなことがちらりと考えてみたり。
思いつくままに、紙を埋めていますが。
筆者はソフトウェア開発暦が10年なのですね。
13才ではじめて、23才、大学の4年生くらいですっぱり
やめたと。
この経歴をもって、ITの文筆に献身しているのが
圧倒的な強みなんだろうなと思います。
いまでも、ここまでの強力なバックグラウンドのある
人はIT系のライターではいないのではないかなと。それが、
筆者の強みなんだなと思う。
そういう隙間のようなところをみつけないといけない
わけですね。
Linuxというソフトウェアが、一世を風靡するようになった
前後の話も興味深かったです。
常識として、押さえておくべきだったのでしょうけど。
レッドハットという会社は、誰も責任もってくれなさそうな
LINUXというOSソフトウェアを、会社がクライアントとして
使える仕組みを作ることで、上場までもっていったのですね。これが、びっくり。思いっきり常識なんだろうけど。
考えるポイントありまくりだったのではないかと。
組織系統といったものがあまりない状態で、
とにかくものだけがネットに転がっている。必要な
人材というものも、世界中に、なんとなく浮遊していて、
好きな部分だけプログラミングをしている。
そういう無秩序の状態からどうやって、会社組織が
成功するところまでもっていくのかというプロセスは
なにもITの世界い限定されることなく、広い射程範囲を
もった問題に、一石を投じているように思いました。(2699文字)
NERD」の存在について、書かれているのも示唆に富んでいます。
WIKIPEDIAとかにもいろいろおもしろいことが書かれておりますな。
筆者が、大学に在籍している時もNERDな感じの人は
そこら中にいたということも書かれております。
うん。IT系の人に、コンタクトをもつと、「あ、こういう人のことを指すのだろうな」と。
以前よりは、筆者が書いたものに対して、実感をもって
理解できるところはあるかな。
DENAという会社の採用のプレゼンテーションを見ていても、
そんなことを思います。
思いっきり、NERDだったんじゃないかなという人だけど、
プログラミングの技術があって大切にされている人。
なんか、そういうと、見も蓋もないけど。
筆者は、NERDが日本では大切にされていないということを
書いてあったけど。
今は、どうなんでしょう。これは、かなり切実な問題意識として、あるような気がする。日本のIT企業の採用の
話をきくと、やはりそういう人たちには特別な配慮を
払って、人事戦略を練っているように思います。
マイクロソフトを創業したビルゲイツという人がNERDだったのかどうかというのも、興味のあるところ。
「歴史の教訓」を引っ張り出したくなるのは、文系の
よしみで。
マイクロソフトがOS市場を独占していくのに対して、
ネットスケープという会社が自社のブラウザを無料で
配布するという作戦をとったと。
その作戦に対して、マイクロソフトは、Windows
「抱き合わせ」でIEを最初からインストールしてしまって、
ユーザがネットスケープのブラウザを使わないように
してしまうと。
それで、ネットスケープの息の音は止まってしまったと。
さらに、マイクロソフトは、自社のIEも無料にしてしまうと。
ソフトウェアと「無料」という話題。
注目をし始めたのが、Googleからだったので、この会社の
専売特許みたいに考えしまうけど、それも、かなり重大な認識不足だよなと。
やはり、前後の流れもよく知らないことに、関わってみたいと思うのは、危険だよなと。
ITの世界の「独占」が持つ意味というものについての
考察も、後々、参考になる部分が多いのではないかと
思います。
このネットスケープという会社がマイクロソフトの作戦で
うまいこといかなくなっていたという文脈でLINUX
出てきたという部分も。注目。
「会社組織」という存在形態すら持たない状態で
OSのシェアを崩せるのかどうかという。
ここら辺になってくると、ベトナム戦争とか、朝鮮戦争のローカルなゲリラの戦い方に似ているよなと。
リソースで劣る方が、大国になんとか抵抗して独自の存在を
アピールしようとしたら、どうしてもやることが
似てくるのだなと。
そんなことを思いました。(3820文字)
ここだけは引用しよう。
40ページ

貴兄がオフィスを構えたスタンフォード大学構内の701Welch Rdには、スタンフォード大学知識システム研究所があり、そこに私は1986年から88年まで滞在しました。その後は、私の共同研究者だったスタンフォード大学のGUPUTA准教授が起業したVXtreme社は入っていました。貴兄の部屋、中庭に面した1110号室で私も数ヶ月過ごしたことがあります。懐かしくて、メールしました。

筆者が日本の研究者からこのメールをもらったそうな。
いや、最近、シリコンバレーにいこうというブームみたいなものがあるみたいだけど。
そちらで通用するものをどうやって身につけるのかとなると。
結局、日本の大学機関で研鑽を積んだ人なのではないですかと。
MrShibataだったかな。東京大学で准教授までいった人ではなかったかな。
そうすると、外国に幸せの青い鳥を探しに行くということを
どう評価したらいいのかもよくわからなくなってくる。
おそらく、日本の国立大学で低コストでスキルを身につけて、外国にいくというのが一つのモデルになるのかな。

まあ、いろいろ書きました。
これも、一種の「就職活動の本」なんだと思います。
「就活ってなんだ?」みたいなタイトルの本も
あったと思いますが。
こういう海の向こうの就活事情をみることで
この先、職探しをする若い人が読むのにいいのかも
しれません。