ピンチョンのまなざし その17 かつ2013年抱負

あけましておめでとうございます。
今年も、このブログ共々、よろしくお願いいたします。
去年につづき、実家で過ごしています。
2012年の抱負が、昨年のエントリーのトップバッターでしたので、
はたして、その抱負の内容がどこまで具体的にカバーできたのかを
検証しようと思います。
====
本当は、年の瀬にやるのが適当だったのかもしれませんが。
今年の抱負を作り上げるのに、去年の実績を勘案するという形式のほうが
望ましいかなと思ったので、今の時期になりました。
新年の抱負 - book-loverの日記

「主」になるのは、大学受験のための「理系数学」「物理」「化学」の学習なのかな。

その中でも、「主」になるものは、

「受験数学の理論」問題集を、未刊行のもの(数学?微積分 初頭関数)をのぞいたすべての問題を

「暗記数学」するというもの。基本的な「解き方」を徹底的に記憶して、少しでも、数学の弱さを

克服していきたい。

受験数学の理論を、全部やり終えるというプロジェクトは、無事、去年の9月に
達成しました。
いま現在市販されているシリーズで、目を通していないものはありません。
これで、大学受験数学の一通りの解法暗記を実行するという目的は
達成しました。

「従」にあたるのは、物理と化学になるのかな。北大医学部に合格した人の合格体験記を読んでいたら、

4年間かかった受験準備のうちの大半は、数学で消えたというから。

「受験数学の理論」で「足りない」部分は別の問題集で補うことにする。

そして、問題演習の「解法暗記」が終了したところで「東京大学理系数学」の過去の入試問題の

研究をしたい。

1月と2月を使って 数と式

3月 数列 漸化式

4月 確率

5月 図形と式

6月 残りの分野を違う問題集で演習する。

7月 8月 9月で東京大学理系数学の過去の入試問題を徹底的に分析する。

別の問題集は、駿台と旺文社の参考書でカバーしました。
この年間スケジュールの達成度合いといいますと、ほぼ3ヶ月のずれがありました。
東京大学理系数学の過去問分析40年分は9月から12月にかけて行いました。
残った10年は、1月中に終えたいと思います。

12月のどこかで、センター試験の過去の入試問題を受けてみる。

9割を目指す。

11月の東京大学の入学試験の模擬試験を受けたい。

「数学」と「英語」で65点と英語では90点以上をとりたい。

この二つの目標を達成できたら2013年に向けて、なんとか頑張れるような気がする。

あとは、この期日がやってくるまで、学習を気長に続けることができるかどうかだと思う。

正直、数学3Cを終わらせて、12月の半ばから1月の正月休みまで脱力してみたけど、

かなり疲弊していたのではないかと思った。

働きながら、勉強を積み重ねるというのは甘い話なのではないのだなと思った。

だからこそ、テキストに向き合い、ノートに書き込むことができるということは素晴らしいことなのだと

心の底から納得できる。

これは達成できませんでした。
これから最新の10年分の東京大学の理系数学に取り組んで、どれくらい
得点できるか検証する。
理系微積分は、もう一度、復習して、記憶を戻さないといけないかなと
思う今日この頃。結局、去年は、模擬試験を受ける事は叶わず。
そういうわけで、今年こそはなんとかできないだろうかと。

出来る限り、実現可能性を考慮して低めに設定しようと。
2012年は、意識的に細かく設定して、どれくらい達成したか確認しましたので。
その経験もふまえて。
去年と違って、数学の山がもう終わっているというのは自分の中では安心材料

東京大学 理系数学 10年分 (1月中!)
年内。 京都大学大阪大学の理系数学 50年分を解く。(5月一杯。)
センター試験数学の過去問を20年分は解きたい。
そのとき、センター試験数学対策の問題集を2、3冊は完成させたい。
(センター対策2ヶ月)

大学受験物理と化学
問題集をやりこんで、東大理系の過去問を25年分解くことを目指す。
目標得点は、60点中、50点。
こちらは、数学の進捗によって、いつ頃から、スタートするかを決める。
気分的には、物理と化学の目標を「主」にしたほうがいいのかなと。
思うこともある。なぜなら、もう数学は、相当やったから。穴ないはずだし。
もちろん、埋めるところはあるけど。まっさらな所はない。(1909文字)

さて、ここからは、ピンチョンのM&Dの話に唐突に戻ります。
年末の帰省の移動中の時間を使って、ピンチョン関連の書籍を読む。

英語の歴史―過去から未来への物語 (中公新書)

英語の歴史―過去から未来への物語 (中公新書)

M&Dの「特異性」の一つに、「擬古文」というスタイルが取られていることが
あります。
現代の作家は、わざわざ18世紀後半から19世紀にかけてアメリカで
使用されていたと思われる「古風な」英語を用いて、書かれているのです。
すぐに、読んで、わかるのは、英語の名詞が、ほぼ例外なく「大文字」で
書かれているというところになど、特徴が出てきます。
Youのことを「Thou」という書き方をしています。
これも、「近代英語」といわれているスタイルのようです。
本書では、英文学の研究をしている先生が、英語の起源を、それこそ、昔の
イギリスの歴史にまでさかのぼって、たどって行きます。
イギリスは、島国だからといって、欧州大陸の影響から無縁で発展してきた
わけではないと。
ノルマン人という、北欧の人が、イギリスの征服者になったこともあったし。
フランスに広大な所領をもっている貴族が、有力者になったという経緯もあった。
一時期、イギリスの王侯貴族は、公式の場では、みんなフランス語だったことも
ある。そうなると、英語の語彙の中に、多量のフランス語起源の単語が流入する。
そして、「学問の殿堂」となってきた教会で、神様の研究をしている人は
ラテン語を使う。そうすると、ラテン語が起源の言葉もたくさん流入する。
イタリアでルネサンスが起きたら、イギリス人の読書好きもそれに習って
ギリシャ・ローマの古典テキストを読む。
そういうわけで、現代の英語の語彙の「ご先祖様」をたどって行くと、
色々なルーツが確認できる。分かる人は、単語の形を見るだけで、
どういう「系譜」だったのかわかるみたいなことが書かれています。
本書で、よく登場していたのは、シェークスピアの英語です。
ロミオとジュリエット」で、有名な、ロミオの告白の場面などを
原文で読んでみましょうと。
わざわざ、ここで、引用したりはしませんが。
やはり、16世紀の英語ということで、現代とは、またかなり勝手が
違います。
チョーサーという作家の英語も出て来るけど、こうなってくると、
「英語の痕跡はどこやねん?」みたいな感じです。
M&Dの舞台の時代は、ちょうど、英語の母国たるイギリスが、世界に打って出るという
時期だったので、それに伴って、英語が被る変化も、起源がグローバルな
ものになる先駆けをなしていたと。
そんなことも書かれています。
英語のテキストの研究者の人からすると、どの時代に、どのような英語が
使用されてきたのかというのも、一つの重要なトピックのようです。
M&Dの筆者は、どうやって、こういう「スタイル」で、800ページ近くの
筆記が出来るようになったのだろうかと思う。
それと、辞書のことも書いてあって。
OxfordEnglishDictionary
やはり、これは大事なようです。
とにかく、今までの英語の歴史の中で、流通した単語については、
すべて記録を取るという、頭の下がるような志をもって、編纂されている。
だから、「ある年代まで、使用されていたけど、この年代になってから
使われなくなった。」みたいな、マニアックな記載も探せると。
通常の現代英語のテキストに向き合っている分には、そんなことが気になることは
あまりないと思いますけど、ことM&Dになると、話が違ってきます。
現行の辞書で手に負えない単語が出て来たら、「最終兵器」としてOEDに頼んで、
単語の意味を確定する必要があるのかなと。
辞書の話に関連して、グリム童話のことも出てきた。
別に新しいことでもなんでもないけど、グリム兄弟は、別に「作家」だったのでは
なく、「言語学者」だったんだなと。
ドイツ語の辞書を、コツコツと作って行くような地道な作業がまず「生業」として
あり、(たしか、語形に関する法則などに、グリムの名前が付けられていた。昆虫を発見したら、発見した人の名前がつくみたいな、あの感じ。)
その「余儀」として、色々な人の伝承を聞いているうちに、
グリム童話が「結果的」に出来上がる。
英語の辞書を編纂している人たちの歴史も、びっくり仰天の緻密さ。
そして、それに次いで、ドイツ人も、ドイツ語の記録を編纂していくというて所では、
負けてはいない。
学生の時は、こういうことが気になることはないけど。
実際に、英語を教えるという立場になってみると、こういうところも気になる。
そんなことより、過去問やろうぜって話ですが。
というわけで、帰省した実家で、学生時代に買ったまま、放置していた
ドイツ語の読解テキストを発見した。
独文解釈の研究

独文解釈の研究

ノートと鉛筆を使ってはいないけど、一通りの目を通しました。
「文学的」「哲学的」な「構文的」に「複雑」な例文が120問の例題に
なっています。
最後に、練習問題18問。
これがまたしんどい。一つ一つの例題も、しっかり練り込まれた例文が
採用されています。
語注はくわしい。基礎的なドイツ語の力があれば、例文の下に一覧が
ある語注をざっとみたら、辞書がなくても、問題に取り組めます。
この問題集をつくった本人が、
「単語はわかるけど、ドイツ語で文の全体がつかみにくい。」
という問題を、あつめて、盲点をどんどん突くように、作ったと
ていねいな文面で書いています。
たしかに、受験英語的な、しんどさが、120問の例題のところどころに
ちりばめられています。
学生時代のから、今にいたるまでのブランクがどれくらいあるかを測定
するのに、いいのではないでしょうか。(4298文字)