例題19
とまっている箱台車のなかで、ボールを両端の壁に
ぶけて、いったりきたりさせる問題。
ボールが壁に「ガツン」とあたったとき、静止していた
台車が、「はじき飛ばされる」というイメージ。
完全弾性衝突ではない。反射係数eが与えられている。

床に対するボールの速度
床に対する台車の速度
この二つが、一方の壁に反射するたびに、どのような大きさを
とるのかを、もとめていく。
台車とボールの運動量がずっと保存するということ。
左右の台車の壁で、「衝突」がおこる前後の、2つの物体の
速度の数値を、反射係数をもとめる式に代入する方程式を立てることも
できる。
運動量と、反射係数の方程式で、衝突の後の、ボールと台車の速度を
求めていくことになる。

後半は、台車の床に対する速度の経過時間ごとの大きさの変化のグラフ化の
問題がでる。
最後は、このボールの左右への反射を繰り返していった先に、
床に対するボールと台車の速さが、どのような「最終速度」になるのか
を算出して、その状態と、最初のボールの運動エネルギーを比較する。
「最終速度」はボールと台車が同じ速度になるということが
ポイント。そこに運動量保存の法則を適用する。

例題20
ものすごく正統派問題。
左から、玉を発射して、静止している玉にぶつける
衝突の問題。
運動量の保存法則と、運動エネルギーの保存法則の双方が
適用可能なケース。
運動量は、向きをもつ数値なので、縦軸、横軸それぞれに
保存法則で方程式ができる。
運動エネルギーは大きさだけなので、方程式は一つだけ。
これで3つの式が立つ。
入射する玉と、ぶつけられる玉の速度を比較して、
後者が大きくなる条件を求める。
これは、単なる不等式の立式。
次に、入射される玉と、ぶつけられる玉でつくる重心という点の
速度ベクトルをテーマにした問題。
衝突前も、衝突後も、この重心の位置は変化しない(等速運動)という。
静止系でみる二つの玉の移動の軌跡と、重心の上に乗って、移動して
みる二つの玉の軌跡を重ね合わせる。
三角形が出来上がることがポイント。この三角形に余弦定理を
適用することで、重心の速度ベクトルと、ぶつけられた玉の速度ベクトルの
関係を求めることができる。
この関係がわかると、三角形の形状の特徴がわかる。
ここから、ぶつけられた玉の入射された玉に対する角度がわかる。