センター数学について

勉強をしているのにもかかわらず,結果が伴わない場合,

多くの人は解答を理解するのにばかり時間を費やしていて,

その発想や解法を自分のものにするところまでできていない人がほとんどです.

山本は復習を徹底的にやるように言うことが多いですよね.

でもそれが表面上の復習になっている人は,

なかなか結果として現れないのです.



0の状態から数学を始める場合,

自分だけで教科書や参考書を読破していくのはかなり難しいものです.

実際やってみるとわかるのですが,

自力でできるのは式の展開・因数分解・2次方程式の解のところぐらいまでで,

判別式や2次関数とグラフあたりからだんだん進むペースが落ちて,

2次方程式とグラフの関係になると自力での理解が誤った方向に進むものです.

高校数学では使われる根本的な発想は割と少なくて,

ひとつの発想がさまざまな場面で使われることが多いのですが,

その根底になる概念が正確にわかるには人に教えてもらう方が早いのです.

また,0から数学を始める場合,

ほとんどの人が教科書や易しめの参考書を1ページ目から丁寧にやっていけば,

順に内容が難しくなっても理解できるはずだと思いがちなのですが,

参考書というのは易しいことから難しいこと,さらに受験レベルのことまでを

一気に詰め込んでいるものが多いので,

一度学んだことがある人にはやりやすくても,

初めての人がいきなり基礎から発展事項までやっていっても,

時間ばかりかかるだけで得るものはすごく少ないものです.



国立数英ゼミでは0からのスタートをする場合,

山本が以前代ゼミで収録した「ベーシック数学」というサテラインゼミ用の教材をアレンジして,

数ⅠAⅡBの全範囲を3か月ぐらいで集中的に勉強してもらうようにしています.

これは90分授業×12回の集中講座ですが,

再受験の人や,高校ではほとんど勉強せず,0からに近い浪人生や高3生にとって,

高校数学では何を学ぶのかとか,何が基礎なのか,何を覚えなければいけないのか,を

明確に理解してもらうためです.

皆さんの中にも数学の偏差値が40にも届かなくて・・と悩んでいる人があると思いますが,

その人はぜひこんな感じで誰かに集中的に数か月で

高校数学のまず入門部分を全範囲通して教えてもらってください.

このとき注意することはだらだらとやらずに特訓すること.

今日から3/10ぐらいまでを目安にアドバイスすると

⒜理系で学校の進度がすでに数Ⅲを終了しているときは

 ⅠAⅡBにかける時間とⅢにかける時間を3対2ぐらいの比重にして,

 三角関数・指数対数関数・ベクトル・数列・微積分を重点的に勉強します.

⒝理系で学校の進度がまだ数Ⅲに入っていないときは

 三角関数・指数対数関数を復習したのち,数Ⅲの内容について

 微分と計算→増減表とグラフ→積分の計算→面積

 に関する分野を自分で勉強しておきます.

⒞文系で国立二次または私大入試で数学を必要とする人は

 二次関数・確率・三角関数・ベクトル・数列・微積分を重点的に勉強します.

⒟文系でセンター試験にだけ数学を必要とする人は

 春休みから本格的な勉強がスタートできるように,

 学校の教科書の例題をⅠAⅡBの順に小さなノートに解いて,

 解法のポイントと忘れている公式をすべて整理していきます.

 センター試験しか数学を使わない人はどうしても数学の勉強量が少ないので,

 英単語を覚えるように常にこのノートを見て基礎知識の使い方を覚えていきます.



つづく・・



試験まであとわずかなので,
全範囲を丁寧にやる時間は多分ありませんね.
となれば,的を絞るのが一番効率的です.
満点を狙っている人は,
①今までの経験からどの単元が一番弱いかを考えて,集中的に特訓する
②失敗する多くは誘導に乗れていない時のはずなので,
 誘導がわかりにくかった問題を繰り返してイメージをつかむ
③常に無駄な計算を排除して,必要なものだけを出すことを意識する
また,80%を狙っている人は,
④過去6年分の本試・追試の問題を時間制限して解き,弱い部分を探る
⑤時間内に解く計算力がないのか,誘導を見抜く力がないのかを見極めて,
 計算力がないのであれば同じ問題を15分以内に解けるように繰り返す
 誘導を見抜けないのであれば,解答を見ながら出題者の意図を考える練習をする
とにかく平均点が欲しいという人であれば,
⑥過去6年分の本試・追試の問題を解答を見ながら解いて,
 どこまでが自力で解けるかを把握して,解ける部分を確実に計算できるよう繰り返す
⑦平均点を狙うのであれば,各問題の2/3が答えられればいいので,
 解くスピードを落として絶対に計算ミスをしないよう2週間で練習する
⑧数ⅠAであれば,2次関数,三角比は過去問を多く解いて経験を増やしながら計算力をつける
 確率は得意不得意の差が激しいので,苦手な人はわかることを確実にする
 ⅡBであれば,微積分が最も計算に時間がかかるので,過去問のみ繰り返して計算力を養う
 最近のベクトルは難しくないので,過去6年分の本試・追試で質問形式に慣れる
 数列は誘導がわかりにくいので,自分が解説を読んで理解できるところまで確実に解けるようにする
のが先決ですね.

僕は国公立の医学部を志望しています。
去年は私大を受けなかったのですが、今年はもう浪人できないので、私大も受けようと思っています。
私大医学部は、昭和大学帝京大学藤田保健衛生大学を受けようと思っているのですが、学費の関係や数学にも興味があるので、慶應大学の理工学部早稲田大学基幹理工学部教育学部数学科を一般で、東京理科大学のセンター利用も受けると思います。
現在の偏差値(代ゼミの第4回全国総合模試)が、英語66.7数学72.4物理69.2化学63.3で、第一志望がC判定です…

山本先生こんばんは。
来週にセンター控えている国立医学部志望の者です。
まずセンター数学について質問です。
最近毎日各予備校の実践問題集のⅠAⅡBを解いているのですが、点数が安定しません。
ⅡBは80〜96点くらいで、ⅠAは76〜90点をうろちょろしてます。
先生が前におっしゃっていたように苦手な分野を重点的にやってみましたが、やはり安定しません。
このまま苦手な分野重点的にやっていて大丈夫でしょうか?
ちなみに時間が足りないことはないです。
←各予備校の実践問題集をやっていらっしゃるとのことですが,
出題の傾向や雰囲気が違ってるよなあ・・と思う問題があるはずです.
その場合はやってもあまり効果がないからとばして構わないと思います.
センター試験数学の場合,過去問の徹底的な研究が最も効果的で,
過去問を解いた時に自分がなにを間違うか,どこで時間を食うかを確認できていますか.
点数が安定しないという場合,自分が点を落とす部分が決まっている人が多いのです.
三角比と図形の問題で図の応用ができていなかったり,
確率で遠回りな発想をしていたり,
数列の誘導に乗れずに最後までたどり着いていなかったり,
点が取れないのは計算ミスなのか,発想の着眼点なのか,自分をしっかり分析してみてください.
それを踏まえたうえでの苦手分野対策であるべきで,
単にベクトルが苦手だから・・といった対策は君の場合適していないですね.

次に二次の数学についての質問です。
センター後に昭和と杏林の医学部を受けます。
そのとき時間もあまりないので、問題集をやるのと代ゼミのテキストの復習をやるのはどちらが良いしょうか?普段使っていた問題集はプラチカです。
代ゼミのテキストの復習がしっかりできているのであれば,プラチカの方がよいと思います.
単に答えが出たから次へ・・というのでなく,解説をしっかり読んで,
別解や着眼点のポイントを見直すといいですね.
代ゼミのテキストの復習が不完全だと思えば,こちらが優先です.
特に昭和も杏林も過去問を見るととても傾向がわかりやすいですよね.
なのでその単元を中心に復習するとよいと思います.
頑張って今年こそリベンジしてください.

国立志望の理系男子(浪人)です。
センター試験の数学に関してなんですが、
自分は模試で平均してⅠA、ⅡBともに七〜八割前後の点数で、
あともう少し点数が欲しいと思ってます。
ⅠAでは大問3の図形でスムーズに誘導に乗れず時間がかかってしまい最後まで解けきれません。
あと、必要十分のところもいつも半分だけあってるという感じで点数を落としています。
ⅡBでは、三角関数のところで公式は覚えているんですが、なかなか得点できません。
数列では具体的に数値が与えられた時はなんとか解けるのですが、
Σや漸化式になるとうまく誘導に乗れません。
参考書は先生のセンター対策本とチェック&リピートがあります。
アドバイスできるところがありましたら、よろしくお願いします。
←図形問題に関しては,
君の勉強が2次関数を解くときと同じようなパターン中心になっていて,
問題の特徴をとらえるような練習が不足しているような気がします.
例えば円と接線であれば,どんなことが成り立ち,この角がここに移るから・・とか,
平行線がここにあるからこれを利用して・・というような発見の練習が足りないのではありませんか.
センター試験では三角関数に時間をとられる人が多いのですが,
グラフや単位円を上手に使ったり,方程式の一般解の考え方を利用したり・・と
公式を使うよりはその前の段階の基礎知識を応用させられた時に困っているようです.
三角関数の場合,チェック&リピートに載っているような
公式を上手に使って解く出題ではないので,過去6年分の本試と追試を解いて,
苦手な発想をチェックすると有効ですよ.
数列に関してはここ数年の出題が誘導自体わかりにくいことが多く,
過去問を何度も解き直して,自分が誘導に乗れない部分をつかむことが先決かな・・
あと1週間でできることは限られていますが,
君にとっては過去問を丁寧に解き直すことで,
誘導の意図を再確認する勉強がメインになりそうですね.
繰り返していると出題のくせ・・みたいなものが見えてきます.
頑張ってくださいっ

私はどうしても医学部にいきたくて浪人させてもらっています。
数学得意じゃなくて記述模試偏差値は65くらいでしょうか
特にセンター数学苦手で7月くらいから毎朝30分以上はといてだめだったところ書き出し続けているのですが未だに9割安定しません
解の公式とか通分とか信じられないみすがあります
そこでパニックになりさらなるミスを誘発します…
←記述模試の偏差値が65ぐらいあるということなので,
自分で考える力は昨年に比べてずいぶんついてきたんでしょうね.
また知識や計算力もかなり確実になってきているのだろうと思います.
自分なりに得意な分野もいくつかできているだろうし,
苦手と言える部分も昨年よりは減っているはずです.
でもセンター試験の数学はなかなか思うように得点に結びつかない・・のはなぜだと思いますか.
山本の想像ですが,多分きみは数学に対してとてもまじめで,
授業で教わったことはきちんと復習していたり,
計算力を意識して比較的スピードを上げて計算をしつつ,
復習重視で勉強してきたのではありませんか.
そして中学生のころからそんなに数学が得意な方ではなくて,
数学の勉強=頻出問題のパターン化 が心の奥にあるのではないかと思います.
実はセンター試験を制するのは素早い計算力+基礎事項の確実さ+設問の流れと誘導の理解 です.
今の君は2番目の知識の確実さはクリアーできていますが,
1番目の素早い計算力が不足しているのと,
3番目の設問の流れと誘導の理解(多分これが一番苦手のはずです)ができていないようです.
1番目の計算力はほんとうはあるのですが,
普段の復習のように結果がわかっていて,それを確認しながら(心に余裕があって)計算するときと,
センター試験のように時間との戦いの中で素早く計算するのとは君の場合違うようです.
(いつも同じように計算できる人もありますが,プレッシャーの中では思わぬミスをする人もあります)

おそらく君のミスはそういったプレッシャーの中で起こる計算ミスで,
1/k + 2/t =3 の逆数を取ると k + t/2 =1/3 といったミスだろうと思います.
言いかえるとセンター試験の計算力はいつもプレッシャーの中で解かないとだめだということです.
3番目の設問の意図を気付き場合分けや誘導にのるのはかなり難しいですね.
でも高得点を取るにはどうしてもこれができるようにならないといけない山でもあります.

そこで先生にご質問させていただきたいのは
確率の場合の数え落としを防ぐ方法があれば教えてください!!
あと図をきれいに描くコツもお願いいたします。
いきなり申し訳ないのですが
絶対9割は欲しいです
そして今年こそ合格してやりたい…
お願いいたしますm(_ _)m
←場合の数を考える場合,山本が意識するのは
①大まかな場合分けをして全体をつかんだ後,細かい場合分けを考える
②特殊な場合で調べた後一般論で場合分けをする
③余事象が得か,細分化が得かを考える
④設問の誘導が使えないか,前の設問がヒントになっていないかを意識する
ようにいしています.
図を書くときは
三角形や多角形の時は正三角形のように特殊な形にならないように気をつけたり,
空間図形の時は座標軸の向きをどちらに取るかに気を使って
平面図形でも空間図形でもまずいくつもさっと描いてみて,
状況が一番わかりやすい図をノートに丁寧に描くようにしています.
(皆さんは多分問題文を読みながらノートに図を書いて終わりってしてることが多いですよね)
センター試験の平面図形は良問が多く,過去問を追試も含めて解いてみると,
図の上手下手でずいぶんと差が現れます.
頑張って高得点を取ってきてください.
結果を楽しみにお待ちしています.

 もうすぐ大学入試シーズンが始まる。センター試験は1月18、19日。今からでも得点アップは可能なのか。数学の極意を、Z会大学入試担当の江並孝浩氏に伺った。

*  *  *
 私は教材作成と、受講者からの質問対応を担当しています。なので、この時期に受験生の方々が何に悩むことが多いか、把握したうえでアドバイスしています。

 弊社では英語と数学の質問件数が突出しています。やはり、この二つが最も難しい科目なんですね。質問の内容は勉強法への不安が多いでしょうか。信頼できるところからの「大丈夫だよ」の一言を求めているんですね。

 センター数学は、特に理系の受験生なら満点に近い点数をとることも可能です。ですが毎年、思わぬ失敗に泣くケースが見受けられるのも事実です。

 怖いのは、まず問題の多さと試験時間の短さでしょう。全科目で最も厳しいかもしれません。見直す時間はないと思ってください。ケアレスミスは命取りです。

 特に数学は、最初の解答が次の設問に続きます。もし設問1で誤答すると、その大問全部を間違える可能性があるのです。こういう試験形式もセンター数学特有のものでしょう。

 必須対策である過去問は5年分が目安です。手に入れば10年分挑戦するのもいいでしょう。また追試の過去問や予想問題も重要です。本試より難しい傾向なので、本番で難易度が上がったときの訓練になります。

 注意してほしいのは「解きっぱなし」です。問題を解いたら、必ず解説を読み、自分の考え方より最短で解を導く方法がないかチェックしましょう。試験時間が短いため、早く解く必要があるからです。過去問を解くときも実際より5〜10分短くすると役立ちます。

 数学が不得意なら、センター型の問題を繰り返し解くことが大切です。誤答した問題は解き直し、多くの類似問題に挑むと解き方が見えてきます。得意科目を犠牲にしないよう気をつけながら、「継続は力なり」の精神で頑張ってください。

数学が苦手な人へ



一昔前と比べるとかなり分かりやすい参考書や問題集が市販されていますが、


それでもそうした参考書や問題集を自力で進めていくのは大変です。


例えば、現状偏差値50程度の知識で、


偏差値60を超える問題の解答を理解することは非常に困難だからです。




可能であれば是非、東進の授業を受講してみてください。


一流のスポーツ選手には一流のコーチがついています。


独学に苦しんでいるのであれば、


一緒に走ってくれる先生を見つけてほしいと思います。


私自身、かつては数学難民でしたが、


予備校で数学を克服することが出来ました。


宣伝抜きに塾・予備校の活用をおすすめします。



私と波長が合わなければ他の先生を受ければいいでしょう。


どの先生も生徒が引っ掛かる部分を熟知しています。


その部分を上手に解きほぐしてくれます。



テキストは良問揃いですから


まずはテキストの問題を確実に出来るようにして下さい。



よく「何回やればいいんですか?」と聞かれますが、


確実に覚えるまでです。


1回ですぅーと頭に入る人もいるでしょうし、


10回の解き直しが必要な人もいるでしょう。


覚えては忘れ、覚えては忘れと毎日が忘却との戦いです。



どうしてもこうした地味な作業は必要になります。


コアな知識や手法を身に付けなくてははじめて出会った問題を自力で解くことなど出来ません。


知恵も武器も持たず、素手で巨大な相手と戦うことなど出来ないでしょう。


それと同じです。



まずは理解して、覚える!その上で訓練です。


コアな知識や手法が身に付いてはじめてひらめきもうまれます。


コアな知識と手法が身に付けば1000題、2000題も問題をこなす必要はありません。


逆にそうしたことを身に付けずいたずらに問題をこなしたところで


数学は得意になりません。



応援します。


ともに頑張りましょう!

しばらく体調が悪くてブログが更新できませんでした.
前回のブログでセンター試験の準備の仕方をお話したのですが,
今日はそれを少し書き直したものと,その続きをお話ししますね.

今は試験の真っただ中で,
センター試験を受けた人はいろいろなことを感じたはずです.
4月からセンター試験対策を始めていた人も,夏から始めた人も,
あるいは試験直前に慌てて準備した人も,
様々な思いでセンター試験を経験したはずですね.
そんな先輩たちの思いや,山本が感じていることを含めて,
今日から何回かに分けて,
センター試験の効果的な準備についてお話をしようと思います.

1回目の今日はセンター試験の対策に欠かせないポイントのお話から.

センター試験の勉強には4つの重要なポイントがあります.
第1に基本知識の整理です.
これは当然といえば当然ですけど,
皆さんの中にはただ夢中で過去問を解いて,
自分に不足していることを意識していない人がかなりいるのです.
三角関数の合成公式が使えなかったり,
点と直線の距離の公式が覚えられていなかったり,
方べきの定理やトレミーの定理と言われて思い出せなかったりするのであれば,
今日から1週間でしっかりと整理することが大切です.
➡これはダラダラとやってはダメですね.
 1週間と時間を区切って,集中してやるようにしてください.

第2にパターンの習得です.
漸化式であれば,このタイプはこうして解く,
積分であれば,直線と放物線の問題,接線と放物線の問題,・・といったように,
テーマによってよく問われるパターンがあるものです.
それを解法の流れをつかみながら瞬時に解答の全体像が浮かぶまで,
何度も繰り返して勉強する必要があります.

山本が書いた東京出版のセンター用参考書を使って勉強してくれている人は,
各問題を見た時に,
「使われる公式や知識は何か」
「その問題の解法の流れは思い出せるか」
「その問題の解説で山本が注意していたことはどんなことか」
が思い出せるような勉強をしてください.
この本はかなり授業に近い形で書いてあるので,
自分が誰かに教えるつもりになって,
解説しながら解いてみるのもいいですね.

第3に出題者の気持ちやヒントを読み取る練習です.
センター試験の場合,前の設問がつまらない設問であれば,
ほとんどの場合,それが次の問題の重要なヒントになっています.

第4に短い時間でちゃんと解き切るスピードと思考回路を養成することです.
多くの予備校から予想問題集が出ていますが,
その前にまずしっかりと過去問で徹底的に短時間で解く練習をしてごらんなさい.
特に最近のセンター試験の問題は追試も含めて解いてみると,
出題者の誘導の巧みさや,問題につけられたアイウなどの記号からも
ほんとうに上手にヒントをつけて,短時間で解けるような工夫がされているのです.
その誘導の仕方は,予想問題集などよりもずっと巧妙ですから,
自分が短時間で解けなかった問題は必ず何度も繰り返してみることが大切です.
(短時間でできないということは,自分の頭の中にその発想がないということだからです)
センター試験の勉強には4つの重要なポイントがあります,といいましたが
第1に基本知識の整理でしたね.

センター試験の問題自体は,国立の二次試験や難関私大の問題と比べれば,
そんなに難しいものではありません.
必要な公式も考え方もすべて教科書の範囲内で,
しかも奇をてらった問題ではないので,
平均点をとることは実は簡単なんです.
言い換えれば,
高校2年生の皆さんはちょうど今の時期,
学校でセンター試験の問題を解かされていることが多いと思いますが,
完答は難しくても平均点をとるぐらいの勉強ならすぐにできます.
とはいっても,
「うそだあ,俺はいつも赤点ぎりぎりだから,
そんな言葉には騙されないぞっ」
っていう人も多いですよね.
でもそういう人に限って,
覚えることを覚えていなかったり,
基本中の基本の変形がいい加減だったりします.
たとえば,
 2次関数の平方完成とグラフが描けますか?
 正弦定理と余弦定理を覚えていますか?
 点と直線の距離の公式を言えますか?
 微分をして増減表とグラフが描けますか?
これらはどれも数学のセンスとかには全く関係なくて,
高校数学でいつも使う重要公式だったり,基本変形であったりします.

数学では偏差値50というのは全然難しいレベルではなくて,
上に書いたようなことを100個ぐらい質問をして
大丈夫だと言えれば到達できるぐらいのことなんです.
特にセンター試験対策であれば,
使う公式や基本変形はもっと少なくて十分です.

だからセンター試験対策の準備を始めるの当たっては,
まず自分が基礎となる公式や友達が誰でも知っているような基本変形
大急ぎでまとめることが必要なんです.
➡もちろん基礎となる知識は人によってかなり異なります.
 普段赤点すれすれの人にとっては,知らないこと,あやふやなことが
 たくさんあるはずですから,まず自分のオリジナルの公式集や
 基本変形集を作るといいですね.
 何から手を付けたらいいかわからないという人は,
 公式集は教科書の太字の公式部分を確認しながら手書きの公式集をまとめ,
 基本変形集は教科書の例題だけをノートに問題+解答という形でまとめるのが有効です.
よく,市販されている公式集を買って,
それを丸覚えしようという人がいるのですが,
数学の場合はそのやり方はあまり効果がないようです.
公式は単独で覚えてもほとんど役に立たず,
実際に問題に適用して使い方がわかるものだからです.
偏差値が50に届かない人や,数学に自信がない人は,
この作業を1週間~3週間かけてやってみるといいですよ.
すると自分が何がわかっていて,何がわかっていないかがよくわかります.
また,2次関数の平方完成や3次関数の増減表の作り方のような簡単なことでも,
もう一度確認することで新たな発見があったり,
「なんだ,こういうことだったのか」と理解を深めることができたりします.

定期テストではいつも比較的良い結果を出せている人は
教科書の最初からチェックして,
抜けている知識や公式を整理したり,
その公式の証明を書いた公式集と,
例題のうち解けなかったものや間違えたものだけを基本変形集としてまとめると役に立ちます.

実はこれらの作業は二次試験や私大で出題される問題の基礎固めにもとても有効です.
2月の時期に数学の基礎とはどういうことかを再確認することが
3月からの受験勉強に大きな違いを生じさせるのです.
(それは今実際に受験している人たちが1年間受験勉強してきて
痛感していることでもあるんです)
第2のポイントはパターンの習得です.
パターンの習得というのは,数学の勉強だけでなく,
語学の勉強にも有効ですし,
いろいろなスポーツにもあてはまります.
サッカーの試合を見ていると個人技の素晴らしさに目を奪われがちですが,
ディフェンスのポジションやコーナーキックからのパターン練習など,
各選手の動きの基本になっているのは,
そのチームにおける攻めや守りのパターン練習ですよね.
テニスの試合では相手が1球1球返す場所が違い,
何のパターンもないように感じられますが,
ジョコビッチフェデラー錦織圭選手たちが普段練習しているのは,
フォアのクロスラリーからのストレートへの展開や,
自分が左右に振られた時の基礎的なフットワークなど,
徹底したパターン練習です.

数学の場合であれば,
2次方程式の解α,βが
➀2解とも正の区間にあるとき
②2解とも負の区間にあるとき
③1解が正の区間にあり,他の1解が負の区間にあるとき
④2解が0と1の間にあるとき
⑤1解が0と1の間にあり,他の1解が2と3の間にあるとき
など様々なパターンの出題があります.
それに対する解法を一つ一つ習得していくのが
高校数学の勉強でもあるのです.

高校に入って数学が苦手になっていく人の多くは,
中学のときに数学が得意だったのに,
高校に入ると2次関数や三角比のあたりから一気にわからなくなるものです.
これは中学のときの勉強法をそのまま高校になっても漠然と続けているからで,
高校数学では1つ1つの対応をしっかり準備すると
すぐに得意にすることができます.
そのためには問題の違いを感じ取り,
それぞれの解法の流れをつかみながら瞬時に解答の全体像が浮かぶまで,
何度も繰り返して勉強する必要があります.

皆さんの場合,チャートなどの参考書を持っている人が多いと思いますが,
センター試験対策に限って言うと,パターンの習得には
学校で使っている教科書の傍用問題集がとても役に立ちます.
チャートなどの「日常の学習+受験用参考書」の
いわゆる総合型参考書は
1冊でいろいろなことが網羅されている反面,
どの問題がパターンの習得であり,
どの問題が入試の対策に役立つかがわかりにくいのです.
傍用問題集は問題のパターンに絞って編集されているので,
数学が苦手な人にはとても効果的です.
ただこの場合,巻末の解答しかない時には,
使用しないほうがいいですね.
別冊の詳しい解答を学校が配布してくれた時は,
各問題のパターンは何だろうと意識しながら,
解答に書かれた解法で解けるように何度も練習してみて下さい.
これは全範囲でやる必要はないので,
自分が苦手としている単元からやっていくのもよい方法です.
一番いいのは,家庭教師やマンツーマンの指導をしてくれる塾の先生にみてもらって,
自分の弱いところを見つけてもらいながら,
問題を取捨選択してもらうことですね.
山本か普段仕事をしている国立数英ゼミでは
グループ個別という授業があるのですが,
ここではみなさんの実力や弱点を山本が把握しながら,
その人に最も効果的な問題を授業内に解いてもらい,
それぞれに合った解法やパターンの習得をお話しています.
3か月ぐらい通ってくださるとほとんどの人は定期試験程度なら
どんどん高得点が取れるようになっていくのは
山本が傍用問題集を工夫して利用しているからなのです💛

ある程度パターンの習得ができるようになったら,
山本が書いた東京出版のセンター用参考書を使って,
センター試験のためのパターン学習に移行できるといいですね.
各問題を見た時に,
「使われる公式や知識は何か」➡これが第1のポイントをやらなければいけない理由です
を考えたうえで,
習得したパターンを意識しながら
「その問題はどのパターンから出題されているか」
「その問題の解法の流れは思い出せるか」
「その問題の解説で山本が注意していたことはどんなことか」
が思い出せるような勉強がとても有効です.
この本はかなり授業に近い形で書いてあるので,
自分が誰かに教えるつもりになって,
解説しながら解いてみるのもいいですね.
第1にお話をした基礎知識の整理,
第2にお話ししたパターンの習得,
この2つがしっかりとできると数学の基礎力はどんどんついていきます.
模擬試験であれば,偏差値は56程度の力はついていて,
人によってはこれだけで偏差値が60ぐらいまで伸びていく人もあります.

ところがこれができていても,
センター試験の問題はなかなか解けないと感じる人がたくさんいます.
それはなぜかというと,
センター試験の問題がマークシートになっていて,
出題者の設定した解法を考えなければいけないことと,
パターンが見えにくいせいなのです.
マークシートだから易しいはずと考える人は多いのですが,
実はマークシートのほうが難しい場合もあります.
それはある問題に対して,
自分だったらこのパターンだと考えて,
自分の解き方で解答を作ることができるのですが,
マークシートの場合は,
出題者があらかじめ自分で解いた解法に対して穴埋めを求めるため,
出題者の意図をくみ取らなければならない場面が多く存在するためです.
第3の出題者の気持ちやヒントを読み取る練習です.
センター試験の場合,前の設問がつまらない設問であれば,
ほとんどの場合,それが次の問題の重要なヒントになっています.
また,全体の流れをつかむことで,
出題者の意図を把握して考えることができるのです.
これは偏差値が50に届いていない人にはとても難しい作業で,
そのためにもできるだけ早い時点で,
基礎知識の整理とパターンの習得が必要になるんですよ.

山本が書いた東京書籍のセンター対策の本では,
基礎知識の整理とパターンの習得を意識しながら,
出題者のヒントの読み取り方や,流れのつかみ方をお話してみました.
センター対策の本はたくさん出ていますが,
これらのことをすべて記述してある本はほとんどないので,
この東京書籍の本はとても役に立つ人が多いと思っています.
山本はとても良い参考書だと思っていますので,
興味がある方はぜひ本屋さんで立ち読みしてみてください💛