学生の頃は、とことん「消費者」としてしか、大学を見ていない。いや、
恥ずかしながら、両親の保護のもと、大学にいっていましたので、
「消費者」ですらないかもしれない。
しかし、教育業界の末席にいながら、定点観測していると、
学校だって、「業者」だという発想になる。
話ができる人間と、「場所」があれば、成立する「ビジネス」だという
視点になる。
ビジネスである以上は、「牛肉偽装」「建築基準の虚位表示」
のようなことは、必ずある。

以下、文部科学省メールマガジンより。

この中では、福岡市の特区計画に基づき株式会社が設置するサイバー大学
(平成19年度開設)が、設置計画及び認可時の留意事項の不履行が著しい状
況となっています。特に、学生が大学に一度も通学せずインターネットでの学
習だけで卒業することから、学習の成果を適切に評価しなりすましを防止する
観点から、学生の本人確認を適切に行うことを条件に認可されていますが、多
数の学生が未確認で、また、確認の仕組みが作られておらず、設置基準を満た
していない疑義があるので、早急に改善するように厳しく指導しました。
また、神戸夙川学院大学(平成19年度開設)については、契約の問題で開設
時から運動場が整備されておらず、設置基準に違反している状態なので、早急
に運動場を整備するよう厳しく指導しました。

サイバー大学のことは、今回の取り締まりの一件で初めて、知った。
MITのOPEN COURESE WAREに比べたら、このプロジェクトもまだまだ
だけど。
大学って、そもそもが、もろい存在ということが、明るみに出ているような
気がする。
Aという人間が、受講して、単位をとったはずになっているけど、
実は、Bという人間が替え玉になって、勉強していたということが可能に
なる。
サイバー大学は、大学の卒業証書の信憑性をゆるがす。


ここに掲げた大学以外にも、設置計画が学内で共有されておらず専任教員の
未着任が多い、主要科目を専任教員が教えていないなど、開設から間がないに
もかかわらず計画の不履行が著しく、大学を設置運営する責任感が欠けている
のではないかと思われる大学があります。大学の設置運営に携わる方々は、昨
年11月に出された大学設置・学校法人審議会会長のコメントの趣旨を十分理
解し、設置計画は「社会に対する約束」であり、また、大学設置基準は設置認
可の際の審査の基準であると同時に、開設後の大学が常に守らなければならな
い最低の基準であることを十分自覚していただく必要があります。


これは、人手の問題だね。
これも、複数の科目を担当したりすると、生々しく問題点がわかる。
で、教育するときに、必要な知識レベルって、実はそんなに複雑じゃ
ないかもしれないってというのが、つらいところかもしれない。
着任している教員の実力のほどより、
講義をうけて、試験をうける学生の学力のほうが、
まともな情報共有が進行するかどうかを決定する上で、はるかに
大事だから。
これも、一対一で、生徒さんをみていると、本当にそう思う。