たしか、去年の終わりごろだったと思う。
仕事のために家を出るのが、大体ほぼ、午後4時くらいだったとして。
おやつの時間、午後3時に、こんなドラマの再放送をやっていた。

ラブジェネレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
ラブジェネレーション
ジャンル テレビドラマ
放送時間 毎週月曜21:00 - 21:54(54分)

表・話・編・歴
『ラブ ジェネレーション』(Love Generation)は、1997年10月13日〜12月22日の21:00〜21:54にフジテレビジョンで放送されたテレビドラマ。全11回、初回は21:03〜22:09、最終回は21:03〜22:24。また、1998年4月6日21:30〜23:54に二人のその後を少しだけ映した後に回想シーンが盛り込まれた再編集版を放送。平均視聴率30.7%とフジテレビ月曜9時枠の連続ドラマでは当時の最高を記録。また、大瀧詠一が実に13年ぶりに新曲を発表し、使用されたドラマとしても知られている。

松たか子と、木村拓哉という当代の2大スターがそろい踏みをした、ドラマでございました。
ヒロインと、主人公の二人が、電光掲示板の前で出会う。

ヒロインは、定時になったとき、大きな電光掲示板で、
「Love For Sale!」
という光文字が出るように仕掛けていたというはなし。
そういえば、この光文字がでたところで、二人は、抱き合っていたのかな。

それから、時は経過して。
2009年も、明けて、仕事、仕事。
授業から、授業へ。
阪神電鉄のエリアをさまよっていたら、

「1977 Misty」

という看板が、かかっている店をみつける。
この年に、開業したレストランだったんだね。
そう、これ、僕が生まれた年。
よくよくみると、「ドリア」の専門店なのだそうだ。
授業が終了してから、もう一度、そこへいってみる。
お店の中に、車がまるごと、一台、かざってある、ジャズ喫茶のような
雰囲気のお店だった。

そのお店の中に、「Love For Sale」というタイトルが書いてあるレコードが
たてかけてあった。
そういえば、どこかで、聞いたことのあるタイトルだなと。

いや、すぐに、思い出した。
そうそう、あのドラマで登場したんだよなって。

そこでは、エビチキンドリアを注文して、満足して、すぐに帰宅の途につく。

それから、次の日。
再び、阪神電鉄エリアをさまよう。
電車の中で、こんなつり広告をみる。

http://www.usj.co.jp/event/valentine2009/index.html

ユニバーサル・スタジオで、
カップルで遊びにいき、

選択肢1) 二人で、キスをする。

選択肢2) 二人で、抱き合う。

このどちらかを披露して、アツアツですということを、高らかに宣言すると、
チケット代が、二人あわせて、1800円安くなるというもの。
(5800円×2→9800円)

「Love 割り」

なのだそうです。

Loveという単語を、広告の売り文句に使うというのを、連続でみたので、
気になってきた。
電車の中で、Iphoneを引っ張り出す。


「Love For Sale」

これで、Google 検索をした。

Love For Sale

Words by Cole Porter /Music by Cole Porter (1930年)
恋、お売りしますわ。食欲をそそる若い恋、お買いにならない?
新鮮でまだ傷んでいない恋、ほんのちょっとしか汚れていない恋、
恋、お売りしますわ。

お買い上げくださるのはどなた?
私のお出しするものを試食してみようという人はどなた?
パラダイスへの旅の代金を払ってみようという方はどなた?
恋、買いませんこと?

詩人さんたちには、子供っぽい愛の歌を、
さえずらせておけばよろしいわ。
私はあの方たちよりずっとずっと、
いろんなタイプの愛を存じてますのよ。
あなたが恋のスリルをお望みなら、恋愛製造工場直送の私をいかが?
古い恋、新しい恋、あらゆるタイプの恋を取り揃えておりますの。
本当の恋以外はね。

恋、お売りしますわ。食欲をそそる若い恋、お売りしますわ。
私の商品を買う気があるんなら、ついてらっしゃい。階段の上へ。
恋、お売りしますわ。


歌だったんだね。
そうだよね。
だから、レコードのジャケットに入っていたんだよね。

面白いのは、この時代背景。

この曲が作られた1930年と言えば
世界恐慌のさ中。つまり、何も売れない時代。今の日本と同じように、インチキセー
ルスマンや詐欺師なんかが横行していた時代かもしれません。

この時の不況は本当に深刻で、まず黒人の工場労働者が解雇され、また、農産物価格
の暴落に苦しむ農民は、洪水、疫病、砂嵐などの自然災害にたたきのめされ、家や土
地を失って流れ者の農場労働者となったそうです。
そして、都会の街頭にはりんご売りがあふれていました。私の手許にある1930年代
のアメリカの写真集にも、ニューヨークの目抜き通りの歩道に、りんご箱がずらりと
並べられている写真が載っています。りんご売りの貧しい身なりに比べ、その前を足
早に通り過ぎる人々の中には、毛皮のコートをまとった人もいて、こうした貧富の二
極分解こそが大恐慌の現実だったということを教えてくれます。

Loveと、Saleを結びつけるという発想に、敬意を。

Love 見返りを求めない Handmade 一期一会のようなイメージ
Sale 金銭授受の対価がある 合理性を追求している 規格品のイメージ

お互い、一番、毛嫌いをしているのではないかと。
ふと思うような取り合わせ。

でも、この文句を聞いたとき、どこか、ハッとする。