体の中から沸き起こってくる社長の“想い”に惹かれます || INVENIO LEADERSHIP INSIGHT

会社の社長と、投資家としてパートナーをくみ、その会社の株式を、
証券市場において、高値で売却する仕事がある。

そういうキャリアをわたってきた方のインタビュー。

杉浦元氏
テトラフォース・パートナーズL.L.P
パートナー

杉浦元(すぎうら はじめ)氏プロフィール:1970年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、1996年日本インベストメント・ファイナンス株式会社 (現:大和SMBCキャピタル株式会社)入社。1997年7月パンアジア航空株式会社(現:スカイネットアジア航空株式会社)発起人として設立参画。1999年6月株式会社ブイ・シー・エヌ取締役就任、8社のベンチャー企業成長支援に従事。うち、4社の企業の取締役に就任。クライアント企業の経営企画担当として事業計画策定、資本政策策定、資金調達のほか、営業戦略策定、営業部門立ち上げ、IR業務支援等を行う。その内1社が株式上場2社がM&Aによるエグジットを果たす。2007年8月テトラフォース・パートナーズL.L.P.設立、パートナー就任。2008年8月株式会社ブイ・フォース代表取締役就任。

今の自分の仕事ですごく大事にしていることは三つありまして、ひとつは信じること。二つ目は想像力。最後のひとつは良い言葉が見つからないのですが、正義感かなと思っています。

最初の「信じること」、というのは、お手伝いする会社の社長と、その人と一緒に行う事業そのものの未来をとにかく信じる、ということです。もちろん一緒に仕事をしてくれる仲間を信じるというのも大切ですけど、一番重要なのはやはり社長とその事業を信じること。

今から、ゲームを製作して、AppStoreや、Android Marketの流通に乗せることが目的。
インターネットのサービスを、享受している人は、日本の場合は、かなりの割合で、携帯電話で使っていると思う。
よほどのことがないかぎり、PCを使わない人がたくさんいる。
いままでの携帯電話で遊ぶことができるゲームは、そんなに高いレベルのものではなかったように思う。
アイフォンや、Androidのようなスマートフォンで、遊べるゲーム、SDKで開発することができるゲームは、従来の携帯電話で遊べるゲームより
魅力的なものになると思う。
携帯電話で遊べるアプリケーションに、お金を落としていくという消費者が、もっともっと増えていくと思う。

携帯電話とプログラマー - book-loverの日記

気になる数字 - book-loverの日記

そういうことですか。

現時点で、1200万人の人がiphoneを使っていると。そのうち、アメリカ人が700万人。

それで、3億のダウンロードがアプリケーションであったと。

世界での携帯電話ユーザは、33億人。

AppStoreのアプリが10000個。

http://satoshi.blogs.com/life/2008/11/oilcanvas-中間報告3日半で3万ダウンロード達成.html:title]

二つ目は「想像力」です。創業社長にとって重要なのは創造(クリエイト)すること自体ですが、社長のクリエイティビティを引き出すためには、その事業そのものの未来を明確に想像(イメージ)する必要があって、しかもそれを社長と共有できなければいけない。社長が一人で考えているだけではイメージがある段階に留まっているのを、違う角度・視点からアイディアをみて色々な点を指摘したりすることで、社長と一緒になってどんどんイメージを膨らませること。それができる力が想像力です。

やりたいことが、何かをしっかりと共有するということですな。
何が必要かといえば、「言語化」「視覚化」ということではないでしょうか。

上のエントリーでも、記録しておいたけど、スマートフォンというのが、長い目でみると、携帯電話の主流になっていく。
携帯電話で、使えるアプリケーションを開発できる技術は、もっと貴重なものになる。

AppleがアイフォンOS 3.0の、杮落としをしている動画があります。

http://www.apple.com/quicktime/qtv/preview-iphone-os/

音楽楽器を作ることもできる。
医療用携帯器具を開発することもできる。
オンラインのゲームをつくることもできる。
この動画をみたら、それぞれの分野で、どんな開発が可能なのかという青写真があります。

これだけ、可能性のある市場だったら、お客さんも、スマートフォンにのってくるでしょう。

だったら、そこに、アプリケーションを開発・販売したら、売り上げが上がるでしょう。

未来のインターネットの発達やそこで提供されうるサービスを想像しつつ、自分たちはこの分野を押さえに行こう、ということをイメージしてディスカッションをしていました。もちろんただ広げっぱなしではダメで、実際にやっていくことを絞っていく必要があるんですけれども、社長の持っているイメージを自分も想像できて共有できること、更にそのイメージの先を想像でき相手にフィードバックできること、この想像力は重要だと思います。

僕が最初に社長にお会いするときに必ずする質問があります。それは、「何故この仕事を始めたのか、何故この仕事をやりたいと思うのか」という事です。その時に、単純に儲かりそうだから、という話では、全く興味がわきません。僕が何に一番惹かれるかというと、社長自身の過去の体験、経験、そこから沸き起こってくるもの、体の中から沸き起こってくる「これをどうしてもやりたいんだ!」、そういう強い想いや欲求なんです。そういうものを持っている社長とは心から一緒に仕事をしたいと思います。お手伝いを始める前の段階で社長と一番時間をかけてディスカッションするのは、「何故これを実現したいのか」ということです。その“なぜなぜ”を掘り下げていくところにはものすごく時間をかけます。

アプリケーションの開発、携帯電話によるサービスを提供するということが、技術の粋を集めた美しいものであるから。
数学・物理・コンピューター・プログラミングの結晶だから。
技術力によって、差別化を図りたいから。
家庭教師の仕事のように、最初から、やれることが限定されていて、差別化のできない仕事だけで、職域を限定されたくないから。
どんなに、不利な状況に陥っても、持てる資源を最大限にいかすことで、成功をつかむことが可能だということを、実証したいから。
AppleGoogleは、携帯電話で、動作するアプリケーションのSDKをどんどん公開している。
このチャンスを最大限いかしたかったから。
Googleをもう、ここ5年間追いかけているけど。
まだ、自分は、Outputというものを出していない。
Googleを吸収した結果、自分は何を残したのかということを、まだ何もやっていない。
ITが、公開されることで、世の中に、いままでになかった付加価値を提供するということで、すこしでも、先陣を切りたいから。
Googleのテクノロジーを使うことで、Googleの従業員、シリコンバレーの企業家と同じことをやりたいから。
彼らのコミュニティーに認められたいから。

そして、勉学に励むということが、自立のために絶対不可欠なのだというテーゼを、ビジネスの成功によって、実証したいから。
デジタル・エンターテインメントの奥の奥を、徹底的に研究することを通じて、
テクノロジーとは何かについて、明確に語る言葉を持ちたいから。
そうすることで、教育者としてのスキルをレベルアップさせたいから。

家庭教師の最前線は、数学と物理を教えることで成立している。
その中で、自分の文系出身という、致命的なハンディを、克服して、理系の教育者としての実質的なスキルを
獲得したいから。

自分が、いままで、つかってきたテクノロジーの中で、もっとも、自分の近くにいたものは、パソコンだったから。
テクノロジーの可能性というもので、もっとも強い共感を与えくれたのは、Googleだったから。

というのは、社長に最も重要な要素は、「あきらめない」ということだと思っているのですが、あきらめないその根源は、結局、その人がどこまで本気でそれをやりたいと思っているか、というところだと思うんです。人によっては、ご自身の人生そのものがやりたいことの根源だったりするので、そういう方は本当に強い。あきらめたら自分の人生そのものを否定することになってしまいますから。成功していらっしゃる方たちに共通するのはその点です。


No Spectatorの理念を実現したい。
全知全能を駆使して、実現したい。
誰もができること、スキルのハードルが低いところで、自分の職業人生を全うさせたくない。
コモディティになって生きるなら、死んだほうがましだという意識。

もうひとつは、「本気の目標設定能力」というんでしょうか、それがとても重要だと思っています。

ゲーム・アプリケーションを開発して、販売する。
それだけ。

http://www.b-t-partners.com/pdf/090205.pdf
から、データの抜粋

事例 Facebook

Texas Hold'em Poker 月間 3億円の売り上げ

Zynga 資金調達 35億円 

Playfish ロンドン 資金調達 19億円

Tyler 月間 360万円売り上げ

規模が小さくても、チャンスがあることを実証したい。

世界で、5億人の人が、ゲームを買ってくれるかもしれない。

資金投入不要 知恵 技術力 コミュニケーションの力


4月18日東京のセミナーで思い切り明るい話をします | On Off and Beyond

「ITはもう終わり」とか言う人もいますが、私は全くそう思っていなくて、やっとインターネットによる新しいパラダイムでの「収穫期」が始まったところ。収穫期ゆえ、超高収益ベンチャーが多数登場しており、100億円超の売り上げがあるところもあれば、1000億円超、というところも。全て未公開企業。
そこまで行かなくても、「個人で作ったものが数千万円、数億円」という規模の成功は多々起こってきています。
でたとえば、ゲーム業界では、80年代までは、パソコン少年が一人か二人でカリカリ書いたものが大当たりで、一攫千金!なんてことがあったのが、その後ゲームが大作化して、数百人がかりで開発、というのが主流になり、大企業のものとなっていたわけですが、最近またカジュアルゲームiPhone Appsの台頭で、「一人か二人でカリカリ書いて一攫千金」が可能になって、ちょっと目端の利いた「個人」が思い切り力を発揮できる時代になっています。
ソフトウェアも一緒。ウェブサービス化し、しかもホスティングも何もかも格安になったことで、「一人か二人でカリカリ書いてスタート」というのが可能に。

ブレークスルーパートナーズ

社長にとって重要なのは、その中で自身や会社が”いつまでに”どういう風になっているか、と考えられることです。例えば、自分の会社がどういう姿になっているとか、どういうサービスを提供しているとか、その姿を明確にイメージしてそれをいつまでに達成するという目標を設定できる能力がとても重要になります。そこに向かって人がついてくるような組織を作らなければならないですから。

例えばそれを「2010年の12月31日までに何が何でも絶対に実現する!」という時間軸をおく、この本気の目標設定をすることが重要です。それがあって初めてその日までにそこに辿り着くにはどうしたら良いかということを考えられるのであって、そこが曖昧なままだと辿り着くまでの過程もすごくあやふやになってしまう。場当たり的な打ち手になってしまいます。もちろん結果的に設定した目標どおりになるかどうか、これは結果論なので、どんなに一生懸命やったとしても、うまくいくときもあればうまくいかないときもあります。もしうまくいかなければその都度目標を変えていけば良いんですよ。ただし、変えるときには、変えるということを明確に決めて変えることが必要です。

2009年 12月1日

Androidのプラットフォームで、遊ぶことができるゲームを開発して、Android Marketで、有料販売ができるようにする。

社長になったり起業家になったりするのは、ひとつの手段でしかない。どこかの会社に入って、それが実現できればそのほうが良い場合だって絶対あるだから、本当に自分がやりたいこと、実現したいことは何なのか、それをとことん考えてみよう、と話をしています。ですが、それは多くの人にはないんですよ、ないほうが多数です。それはしょうがないと思うんですよね。僕自身も今この瞬間に五十歳、六十歳になったときの自分に明確なイメージを持っているかといわれれば、恥ずかしながらあんまりありません。

大事なのは、そこの目的と手段というのを履き違えずに、自分が本当に何をしたいのかということを考え続けること。そうしていれば、ある瞬間に、「あ!僕はとにかくこの仕事をやっていきたい!」っていうことがあります。僕がそうだったように、多分見つかる。だからそれを本気で探す努力をするかどうか、それが一番大事なんじゃないかという話をしています。努力って言うと大げさかもしれませんけど、自分がやりたいことは何だろうということを毎日、本当に一日一回思い出して、思いをめぐらせるだけでも十分だと思います。多くの人はそれすらもやれていない。もしそれがないとか、見つからなければとにかく動いてみる。人との出会いの中にそういうヒントがあったりします。僕も今ベンチャー企業のお手伝いをしていますけれども、最初のきっかけになったのは、たまたま学生時代に仕事をしていたときに色々な会社の社長さんとの出会いがあったからです。よく考えればそこが原点だったりするんで、人との出会いからやりたいことに気付いたりすることもあると思います。そんなところですかね。