Web、はてな、将棋への思い 梅田望夫さんに聞く(後編) (3/3) - ITmedia ニュース

インターネットの可能性は上から下まで開かれているところにあると思います。梅田さんの著書を読んでいると、例えば、最新刊「シリコンバレーから将棋を観る」の前書きにも、将棋を愛する人物の例として、医者や会社社長など肩書きのある“ハイソ”な人ばかり出てきて、「頭のいい人はすばらしい、頭のいい人は分かっているよね」とおっしゃっている印象を持ちます。

 そういう言われ方をすれば、もうみんなそう思っていると思うけど、僕はそういう人間だよ。ハイブロウなものが好きですよ。それはしょうがないじゃない。

 それは否定しないよ。僕はそういう人間だからね。でもね、本当はできる人が「できない」と言う文化は嫌いですね。本当はできる人が「自分はダメである」といってみんなと仲良くせざるを得ない日本の社会というのは嫌いですよ。

 高校生でも中学生でも、勉強ができる子が「できる」と言わない。頭のいい子は隠れる。ウェブ時代 5つの定理」(文藝春秋)の時も、「これは“上の子”に向けて書いた本だ」と、はっきり言ったんだけど。

選抜チームという考え方 〜組織論〜 - book-loverの日記
すばらしい才能をもった人間が、すばらしい業績をあげる。
そういうBest And Brightestが、世の中を変えていくという、発想がこの人には、強烈にある。

彼の言おうとしていることが、すこしわかってきたような気がする。
日本人の理工系の人が、何者かを知ると、すこし実感できる。
トヨタが、アメリカのGMに自動車の販売台数で、抜いてしまったことや。
NTTDocomoのような会社がもっている技術のこととか。
もうすこし、広い視点でみると、素粒子という研究分野で、日本人からノーベル物理学賞を受賞する人が、
数人いたり。(湯川博士 朝永博士 南部、小林、益川)
そういう人間が、どういうわけが、それが会社という組織、広く日本の世間でサバイバルしていくための手段だったのかわからないけど。
「沈黙」を保っていたのではないかという問題意識は、私も、最近、感じるようになった。
はたして、それが、社会全体にとって、よいことだったのかどうかは、私には、よくわからない。
しかし、「啓蒙」「教育」という観点からみたら、すばらしいことが、裏にもぐるということだから。
あまり、関心できないかもしれない。
梅田さんは、経営コンサルタントして、いろいろな経営者の人に会ってきたはずだ。
いろいろな人から、いろいろな話を聞いたのだろう。
その中で、この人の核が形成されたとしたら。
それは、一体、どのような形をとっているのか。
それに興味がある。




今後梅田さんは、Webコンサルタントとか、Webについて語る識者のようなポジションを取ることは、もうないのでしょうか。

 僕自身、自分を評論家だとはあまり思ったことがないんですよね。ウェブ進化論を書いたからそう思われているかもしれないんですけど。

 最先端の場所に出かけていって、そこで起こっていることを構造化して、仮説を提示するということを、本業(経営コンサルティング)でもやっていたし、ウェブ進化論でもやった、ということに過ぎないんだよね。ウェブ進化論を書く前に、はてなという会社に飛び込んだのも、「ここで起こっていることはひょっとしたら新しいのかもしれない」と思ったから、自分から飛び込んだ。

 僕は学者ではないから、全体を俯瞰(ふかん)して、はてな以外の会社も全部調べた上でWeb評論するということは、やっていないんだよね。

 評論家と言われるけれど、「評論はもともとしていなかったかな」という気持ちがある。(僕の本は)エッセイみたいなものじゃない、ある意味で言えば。「非常に個人的なものを書いている」という気持ちがあるんだよね。僕は文学を書いているという風に思っている人もまれにいるわけですよ。そういうフレーバーを感じる人もいる。

 ウェブ進化論のような本については、書かない確率がかなり高いのではないかとは予感しているけど、よく分かりません。ただ、続編や本当の意味での完結編は、僕よりもうんと若い人が書くべきだ、とも公言してきたから。

 Webというのは、僕自身がこれからも、最先端の「炭坑のカナリア」的な人体実験を繰り返す上で素晴らしい道具なので、相変わらずWebをモチーフにしたものを書くとは思うけれど、それが評論と言えるものになるかどうかは、よく分からないですね。

人を育てるモチベーション 島国大和のド畜生

 以下、自分の話。
 ゲームを作るという、非常に特殊な仕事をしているが、これも毎度、新人育成がネックになる。
 ゲーム製作ってのは、一人当たりのパフォーマンスがおそらく10倍以上違う。給与も大手なら何倍も違う。
 コンビニは平均的にな能力があれば突出した人材は不要だそうだが、ゲーム開発はエースに依存する。
 エース、天才が一人いれば、後がナニでもとにかくゲームの体裁が整う。エースに依存して他は食っていく事ができる。
 なので新人には皆エースになってほしいし、目指してほしい。
 エースになれば、ゲームの内容に対する発言力は増すし、給与も上がる。モチベーションはそれ。
 と、わりと構造がコンビニとは逆っぽい。

 この場合、エースは、まさにエースなので、人に教えられてなるものじゃないんだよね。
 自力でその力を得なければいけない。
 俺みたいなチンチクリンですら、手持ちのスキルは全部独学で、ゲーム会社に入ったときにはすでにいっぱしのことは全部できてた。(それでもエース的な活躍は微妙)
 そもそも、何かを教えてもらったって事は皆無に近い。