メールマガジンより転載します。
宮本算数教室は、最近メディアでも、もてはやされていますが。
この人の、キャラクターがよくつたわってくる話が、テキストになっていました。
子供のことを、考えている部分では、うそのない人なのかなと思う。

 1. 本人(お子様)が注意すべきこと
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宮本算数教室では、毎年6年生の最後の授業の後、先生から生徒さんたちへ
伝える“3つのこと”があります。
「守らないと絶対に落ちるぞ」と言い渡す、その内容とは・・・・

【その1】 風邪を引くな!
【その2】 怪我をするな!
【その3】 気を抜くな!

2つめの「怪我をするな」については、さらに徹底したメッセージがあります。
「体育の授業以外では、絶対に走るな!
万が一転んでも、絶対に利き腕をかばえ!
利き腕を折ったら試験を受けられないんだぞ!
利き腕は命に代えても守れ!」

さらに、3つめの「気を抜くな!」については、
「受かっているはずなどと考えたら、必ず落ちる。
合格発表が出るまで、絶対に受かっていると思ってはいけない!」

と伝えるそうです。

子どもたちには“正しい緊張”が必要だと宮本先生は言われます。
自分が今まで努力してきた内容をしっかりと理解し、その緊張感の中で入試を迎
える。リラックスしすぎると入試会場で一気に緊張してパニックに陥ってしまう
からだそうです。


◇ 2. 保護者が注意すべきこと
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【その1】 健康管理がすべて!(予防接種したからといって油断するな!)
【その2】 不測の事態に動揺するな!


その2について、宮本算数教室の卒業生に、実際に起きてしまったケースを2つ
先生からお聞きしました。

○●--ケース 1--●○ 1月29日に骨折、全身麻酔の大手術をした生徒
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「その子は、1月の受験で合格していたので、2月受験に対しては、ちょっと気が
緩んでいました。あれほど体育以外では走るなと言ったのに、魔が差したのか、
校庭のサッカーゴールの近くを走っていて、ゴールネットに入ってきたボールに
足をとられ転倒、腕を骨折してしまったのです。
受験は2月1日、その日は、1月29日でした。

幸いにも、私の忠告が効いたのか、折れたのは利き腕ではない方。
しかし、かなりひどい骨折で、1月30日に全身麻酔で手術をすることになってし
まいました。

事故当日、親御さんから連絡をもらった私は、
『とにかく子どもを責めないでください。“大変なことになった!”と一番
パニックになっているのは本人です。受験なんてどうでもいい。あなたの身体が
なにより大切なのよ、と言っていたわりなさい!』と言いました。
親御さんはその通りにしてくれたようです。

1月30日に全身麻酔の手術では、当然2月1日に受験はムリだろうと思っていまし
たが、なんと本人が自分の意志で受験をしました。
そして、まさしく怪我の功名か、正直、まず無理だろうと思っていた第一志望に
受かったのです。」(宮本哲也先生・談)


○●--ケース 2--●○ 受験は2月1日、その日未明に39度の発熱をした生徒
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「1日に開成受験予定の子どもでした。それが、1日の午前3時、39度の発熱。
中学受験というのは、じゃあ明日試験受けに行ってみようか、というような簡単
なものではありません。それまでの数年間、ものすごい時間とエネルギーとお金
をかけているもの。熱が出たから『じゃ、やめようか』とあきらめられるような
ものではありません。

しかし、彼の母親は、わが子が発熱した姿を見て、母親としての本能が呼び覚ま
されたのでしょう。子どもに対して一言、「どうする?」と聞いたそうです。
ここで母親が「熱くらい何よ!ここまで努力してきたことが無駄になるのよ!
頑張りましょう!」なんて言っていたら、子どもの気力は萎えてしまったはずで
す。でも、親が「どうする?」と聞いてくれたので、自分の意志で決められるこ
とになったわけです。そして、彼は「行く」と答えました。

フラフラになりながらも会場へ向かい、保健室で試験を受けました。
中学側も、子どもにとって中学受験がいかに大切なものか、ものすごくよくわか
っていますから、あらゆる事態にそなえて万全の対応をしてくれます。
具合が悪い時は、躊躇せずに申し出ましょう。

彼にとって、すごい試験でした。
食べ物を全く受け付けらない状態でしたので、点滴を受けて辛うじて試験に臨
みましたが、試験中にもどして鼻血を出し終わったときはもう本当にヨロヨロ。
でも、見事に受かりました。

もちろん開成に受かる実力はある子どもでしたが、熱があっても余裕で受かる、
という成績ではなかった。
そもそも39度で受験をするなんていうのは、誰にとって精神的にも肉体的にも
大変なことです。

母親の「どうする?」の労わりの一言が効いたのです。
子どもに任せ、決断させたことがこの結果を生んです。」(宮本哲也先生・談)

そして、私は、彼の経営哲学というものについて、考えがいく。

そうなんだよね。
中学受験の主戦場は本当に算数オンリーなんだから。
担当する科目も、算数だけでいいんだよね。
そうすることで、余計なリソースをさく必要がないのだから。
だから、彼は、1人で、教室を運営することができた。
しかも、1科目しか担当していないはずなのに、実質、担当生徒さんの
命運にかかわっている。

最小限の資源で、最大限の効果を挙げるのに、一番いい方法は、
算数以外に、手を出さないことなんだ。

国語も理科も社会も捨てていい。

そう、無駄を一切省いた合理的な思考がここにはある。

たとえば、希学園が、指導科目を算数一本に限定したとしても、現状とさほど変わることは
ないだろう。
だって、もう生徒さんは、算数だけで、ヘトヘトになっているわけだから。