基礎FORTRAN (情報処理入門コース 4)

基礎FORTRAN (情報処理入門コース 4)

筆者紹介

中田育男
Ikuo NAKATA's HomePage

本書 80P から
継続行を指定するのに、その行の6桁目に空白以外の文字を入れるというのは煩わしいが、これも、初期のころ、プログラムをカードにパンチしていた名残で致し方ない。カードといっても紙のカードであり、1枚には80文字がパンチできるものであった。昔は、FROTRANのプログラマFORTRANコーディング用紙と呼ばれるものに書くことになっており、その用紙には80桁を示す縦線が入っていたから、そこに文字を埋めていけばよかった。1桁をさす経線が入っていたら、そこに文字を埋めていけばよかった。1桁目と6桁目とは太い線で囲まれていたから、注釈行や継続行を指定するのは簡単であった。会社でFORTRANプログラムを書いていた人はその記入した用紙をパンチャーと呼ばれる人に渡せば、カードにパンチしてもらえったのである。しかし、学生は自分でパンチしなければならなかった。そして、出来上がったカードはカードリーダと呼ばれる読み取り機にかけて読み込ませ、コンパイルという手順であった。カードは1枚1枚ばらばらであるから、持ち運びの途中で落としでもしようものなら悲惨なことになる。もとの通りの順番に並べるのは容易なことではない。そこで、カードの73桁から80桁目までには番号をパンチしておいて、それを頼りに並べなおせるようにしていた。したがってプログラマは72桁までに書くことになっていたから、今でも、1行の長さは72以下と決められている。

コンピュータが直接「理解」する「機械語」にとても近い形で言語が出来上がっていることに
なにやら、「好み」が向く。
言語を使う「人間」に向いているのではなく、「パソコン」当てに、「数式で計算の命令をする」という
パソコン本来の用途に忠実なところが好き。
数学者によって発明された言語であることも好き。

wikipedia:FORTRAN

FORTRAN(フォートラン、FORmula TRANslationの略)は、1954年にIBMのジョン・バッカスによって考案された、コンピュータにおける史上初の高水準記述言語である。1956年に最初のマニュアルが、1957年にIBM 704用の最初のコンパイラがリリースされた。
科学技術計算に向いた、手続き型の手続き型言語である。2010年現在でも使われ続けており、その仕様は初期の頃と比べればかなり拡張されたものとなってきている(初期の頃は、変数名が大文字6文字までで、動的な記憶領域の確保ができないなどの制約があった)。
なお、大文字でFORTRANと表記した場合、FORTRAN 77以前のFORTRANを指し、Fortranと表記した場合、Fortran 90以降を指すことがある。


wikipedia:ジョン・バッカス

バッカスペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれ、デラウェア州ウィルミントンで育った。ペンシルベニア州 Pottstown の Hill School で学んだが、まじめな学生だったとは言えない。化学を学ぶためにバージニア大学に進学したが挫折し、アメリカ陸軍に入隊して医学を学ぶも9ヶ月で再び挫折した。
ニューヨーク市に移り住み、ラジオ技術者としての訓練を受け始め、数学が向いていることに気づいた。彼は1949年にコロンビア大学で数学の学士号を取得し、1950年にIBMに入社した。IBMでの最初の3年間、彼はSSECを使った仕事に従事した。最初の大きな仕事は月の位置を計算するプログラムを作成することだった。


第1章 基本的な知識
1-1 FORTRANの特徴
1-2 簡単な例題
1-3 プログラムの実行
1-4 FORTRANの歴史
1-5 本書での約束
演習問題

第2章 式と文
2-1 整数演算
2-2 実数演算
2-3 式の書き方と計算の速さ
2-4 文や式の一般形
演習問題

第3章 筋道変更と繰返し
3-1 計算の筋道を変える
3-2 IF文による場合わけ
3-3 計算を繰り返す
3-4 ループの書き方
3-5 DO文の構成
3-6 DOループと計算の精度
3-7 制御文の一般形
演習問題

第4章 配列
4-1 1次元配列
4-2 2次元配列とDATA文
4-3 配列の一般形
演習問題

第5章 副プログラム
5-1 文関数
5-2 副プログラムの効用
5-3 関数副プログラム
5-4 サブルーチン副プログラム
5-5 オブジェクト指向設計とCOMMON文
5-6 ENTRY文とRETURN文
5-7 副プログラムの一般形
演習問題

第6章 データ型とその演算
6-1 倍精度実数型
6-2 複素数
6-3 文字型
6-4 論理型
6-5 型の混合
演習問題

第7章 入出力の書式
7-1 書式仕様
7-2 データ型に応じた編集
7-3 入出力の位置の指定
7-4 書式制御
7-5 書式に関する例題
演習問題

第8章 ファイルの入出力
8-1 テキストファイ
8-2 内部ファイル
8-3 入出力文の一般形

演習問題

さらに勉強するために
部録A文法のまとめ
付録B 文字のコード表
演習問題略解
索引

FORTRAN77入門 (電子計算機のプログラミング)

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プログラム書法 第2版

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ソフトウェア作法

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Fortran 77―応用ソフトウェア作成技法

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FORTRAN77 数値計算プログラミング (岩波コンピュータサイエンス)

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Fortran77による数値計算ソフトウェア

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