wikipedia:ガルリ・カスパロフ

決定力を鍛える―チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣

決定力を鍛える―チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣

カスパロフとコンピュータ [編集]
そもそも、カスパロフの師匠にあたる、チェス世界チャンピオンにして工学者のミハイル・ボトヴィニクがコンピュータチェスの推進者である[1]。カスパロフ自身もコンピュータチェスの昏迷期から、局面分析にデータベースを利用していた。
2003年に行なわれた、ディープ・ジュニアとのマッチは1勝1敗4引き分け、X3D Fritz(英語)とのマッチでは1勝1敗2引き分けと、現役中はその時最強のチェスソフトとの公開対局を続けていた。
カスパロフは人間とコンピュータがひとつのチームを組み、そのチーム同士が対局するアドバンス・チェスという変則チェスも考案した。
上記のごとく、もともとコンピュータと縁があり、現役中はアタリ社がスポンサーに付いたこともある。さらに近年ではウォークラフトをプレイしていると著書で明かしている[1]。偶然だが、自分の弟子であるウラジーミル・クラムニクに勝利したディープ・フリッツの開発会社の立ち上げにも係わっていた。

振り返ってみれば2004年、クレムリンの圧制に対抗していた勢力は悲惨な状況にあった[1]という。このゲーム(政治)では、対戦相手がルールを頻繁に、自分の有利になるように勝手に変更する[1]という。そのような予測不能で不公平な戦いでも、優れた戦略があれば努力しだいで望みは出てくるはず[1]と考え、戦略を練ったという。そうこうしているうちに、ふたつのことが明らかになったという[1]。ひとつは、プーチンの弾圧に反対する組織は存続を許されないこと、だという。ふたつめは、プーチン政権に対抗する勢力の連合を築く必要性だったという[1]。プーチンに反対する運動は小さなグループが乱立状態で統一的ではなかったという。共通の目的を見つける必要があり、共通点は、民主主義こそがロシア人を救う唯一の手段という認識だという[1]。もし、公正な選挙で大統領を選ぶことができることができるならば、警察国家へ逆行させるようなプーチンの試みは却下されるだろう[1]、とカスパロフは著書で述べた。