開成番長 抄録
必要勉強時間を割り出すには、まず教材を選定しなくてはなりません。今の自分のレベルと志望校合格に必要なレベル。その差を埋めるのに必要な教材を段階的に選定します。この選定が計画の肝(きも)なので、ここに関しては時間をかけて考える価値があります。正しく教材を選べているか先生の意見を聞くのもいいでしょう。過去の指導経験から的確な意見をくれるはずです。
教材が決まったら、次にその教材を一通り(1周と表現します)やるのにかかる時間を見積もります。これには個人差があるので、自分のペースを調べてみる必要があります。実際に1章分やってみるのが一番わかりやすいですが、ページを開いた印象である程度予測に頼る形でも構いません。1周の予想所要時間を出すことができたら、2周目、3周目に関しては、それぞれ1周目の0.7 倍、0.5 倍が所要時間の目安です(必ずしも3周する必要はないですが)。
これらを必要な教科、教材についてすべて算出し、合算します。これが受験までの【必要勉強時間】になります。予想通り進まない可能性も踏まえて、ここで出た時間を1.1 倍〜 1.2 倍した時間を見積もっておけると理想的です。
たとえば【残りの期間】が8か月、【必要勉強時間】が2,000 時間なら、1か月あたり250 時間、1日あたり約8時間の勉強時間が必要だとわかります。うかうかしていられませんね(笑)。学校の勉強をその時間にどれくらい含めるかは、志望校に向けた勉強にどれくらい直結しているかで考えましょう。
あとは1 か月250 時間の勉強を、バランスを考えて曜日ごと教科ごとにうまく配分してください。こうして1日単位の学習計画に落とし込めば、正しい目標ラインの完成です。これを一つひとつクリアすることが肝心なのです。
「一応やったのになあ」と言いながら悪い結果を嘆いてばかりいる人は、まずはその「一応やった」という基準を見直すことが必要です。ステイラインに乗る前にヨシとしてしまうことが、本人の無意識下で悪い習慣として染みついてしまっている可能性が高いのです。
では「ステイラインに乗る」という感覚を磨くためにはどうしたらよいのでしょうか。そのためには学習した直後に、その内容について「自分の言葉で改めて説明できるか」ということを試すようにすると効果的です。
自分の言葉で説明できるということは、自分にとっての納得いく形、意味のある形として、知識をインプットできているということになります。ここでいう「知識」は、数学の解法手順なども含みます(むしろそういった思考力系教科でこそ意識してほしいところです)。インプット段階でこうした状態にしておくことが、後で思い出すために必要なのは、まあ当然と言えば当然のことでしょう。
復習の最大のコツは、覚えすぎておらず、忘れきってもいないタイミングで復習すること。
これが記憶を確実に強化すると繁田先生は語る。
今月は正しい復習の仕方を紹介する。
記憶のメカニズムと復習の効果的なタイミングみなさんこんにちは、繁田和貴です。すっかり秋になりましたね。ここから本番まではまさしくあっという間です。「絶対に合格する!」という強い気持ちを持って、残り4か月を駆け抜けましょう。
さて、前回は勉強の質を高めるために、知識のインプット時にステイラインを意識することの大切さをお伝えしました。何かを学習する際には、ある一定レベルの理解度まで到達させておかないと、知識を頭の中に残せないというお話でした。とはいえ、ステイラインに到達させるように勉強しても、それだけで知識が永久不滅に残るわけではありません。ステイラインに到達させることは知識を残すための必要条件ではありますが、十分条件ではないのです。
では何が必要か? 察しのついている人も多いと思いますが、そう、復習なのです。人間は忘れる生き物ですから、一度学習した知識も、しばらく放置すれば頭の中から消えてしまいます。だから復習が必要になるわけですが、この復習には、人間の記憶のメカニズムに沿った「効果的なタイミング」が存在します。
復習の目的は、すでに頭の中にインプット済みの知識を、より強固な形、抜けにくい形に進化させることです。ということは、時間が経過しすぎて頭から知識が抜けきった後に「復習」を入れても、それはもはや「初習」と同じ状態となり、復習本来の価値を持たなくなります。要は、「そんなのやったっけ?」という状態になってからの復習では、遅いということです。
逆に、あまりに覚えすぎているタイミングで復習を入れるのも、効果的ではありません。わかりきったことを復習しても、「わかっている」という自己満足感は得られるかもしれませんが、復習の目的である「知識の進化」「記憶の強化」は達成できないのです。
つまり復習は、「覚えすぎておらず、しかし忘れきってもいない」、そんなタイミングでおこなうのが理想的ということになります。
クイズ番組を見ている時、答えが出てきそうで出てこない、そんなもどかしい経験をしたことはありませんか? そこで答えが発表になると、「ああ、そうだった!」と、ある種の感動がわき起こると思います。この「ああ、そうだった!」が得られる復習のタイミングこそ、記憶を強化するためのポイントなのです。
忘れかけをフォローするメモリーサイクル法結論を言いましょう。【1日後、約1週間後、約1か月後】の3回復習すれば、知識を長く保つことが可能になり、受験まで4か月をきったこの時期なら、本番まで知識を持っていけます。ポイントは、間隔を広げながら復習をするということ、そしてそのタイミング以外では、あえて復習を入れないということです。
まず、インプットされたばかりの知識は非常にもろいので、1日後という早めのタイミングで一度復習を入れます。この復習は、初習時に間違えた問題を中心におこないます。ここでの「復習=思い出し」の作業によって、記憶が強化されます。つまり、忘れにくくなるのです。
次の復習はその翌日にやっても効果的ではありません。一度復習を入れたことで忘れにくくなっている記憶は、もう少し「寝かせて」からお手入れしてあげた方が、(1)復習効果を高められる、(2)復習回数を減らせる、という2点で有意義なのです(受験まで日数のない今、(2)の恩恵も見逃せないポイントです)。だからあえて日にちをあけて約1週間後、そしてその次はさらに日にちをあけて約1か月後に復習します。
意図的に忘れかけの状態を作り出して復習効果を高めるこの方法を、僕は「メモリーサイクル法」と名づけました。基本の考え方さえ理解してもらえれば、【1日後、約1週間後、約1か月後】の3回にこだわる必要はありません。ステイラインにバッチリ乗せて強力なインプットができていれば1日後の復習を省いてもいいでしょうし、もっと受験に近づけば1か月後の復習を省いてもOK です。
正しいインプットと正しい復習。このふたつは車の両輪のようなもので、どちらが欠けても合格への道をまっすぐ進むことはできません。ステイラインとメモリーサイクル法の概念をきちんと理解して、ぜひみなさんには合格への最短距離を突き進んでほしいと思います。
深い記憶にするためにはこんな方法がおすすめ
ではもう一段階深い処理方法とはどんなものでしょう。それは、音楽や歌詞の「テンポや音韻」を、口ずさんで体に刻みこむ方法。歌詞の意味はよくわからなくても、テンポにのってノリノリで歌っているうちに、いつの間にか歌詞を覚えてしまうことってありますよね。
勉強にこれを取り入れている人は少なくないのではないでしょうか。確かに、歌を覚えるにはよい方法かもしれませんが、この覚え方で勉強をしても頭に入るのはその場限りのことが多く、定着するのにけっこう時間がかかることもわかっています。
では、一番おすすめの「深い水準」での覚え方とは……。それは、日本語訳などと照らし合わせながら、英語の歌詞の「意味」を完全にわかって、「ああ、この部分の歌詞は泣けるなあ」など、その歌の持つ魅力を心から理解することです。意味がわかったうえで好きになった歌は丸暗記など必要なく、勝手に口ずさんで出てきますよね。
勉強も同じ。覚えようとするのではなく、その事柄の意味を考えること。理解すること。これが記憶の近道なんです。ここでちょっと、下の3つの文を覚えようとしてみてください。● 眠い男が水差しを持って立っていた
● 太った男が鍵を買いに出かけた
● 腹の減った男がネクタイをしめたこの3つ、眺めているだけだったり、何度も読んでみたりしても、なかなか覚えられないでしょう。それは、水準の浅い処理だからです。
そういうときこそ、自分で勝手に意味を作ってしまうのです。例えばこんな風に。● 眠い男が水差しを持って立っていた
(コーヒーを入れるために)
● 太った男が鍵を買いに出かけた
(冷蔵庫に鍵をかけるために)
● 腹の減った男がネクタイをしめた
(レストランに行くために)こういうふうに、「なぜなら」を勝手に補う習慣をつけてみてください。意味をなさなかった事柄に、意味が出てきます。すると、深い水準で物事が頭に入り、長期記憶としていつまでも留まるようになりますよ。
前回は、そのふたつの要素のなかの「期待」に注目しました。自分にはとてもできそうにない勉強内容であっても、「これなら何とかチャレンジできそう!」と期待感を高めるための方法です。心理学では、それはひとえに「ゴール設定」のあり方によって左右されると考えられています。目標には大きく2種類のものがあるといわれているんです。
ひとつは「近接目標」、そしてもうひとつは「遠隔目標」。近接目標とはその日その日の小さな目標、そして遠隔目標とは、日々の近接目標がつながった結果として、最終的に達成したいと願う大きな目標のことです。この両方を持っていないと、「できそうだ」という見通しが立たないというのが結論でしたね。
「冬休みに偏差値を大幅アップ!」という大目標を掲げる人に限って、途中で何をしたらよいのかわからなくなって挫折しやすいんです。そうではなくて、小目標をたくさんつくる、そしてそれが大目標につながるといった計画の立て方が「これならやってみよう、必ずできる!」という「期待値」を跳ね上がらせるのです。
恋愛だって、失恋したときに、「能力(ルックスとか会話力)」がなかったからだ! なんて思っていたら、落ち込んでしまって次の恋に進めないでしょう?
また、「もっと努力すべきだった、もっと相手につくすべきだった」なんて思っても、自分を責めるばかりで、暗い気持ちを引きずるだけでしょう?
そういう習慣がついてしまうと、恋愛というものの「面白さ=価値」を見出しにくいのです。価値がなければ、やる気は出ません。
しかし、失恋してもすぐに立ち直って次の恋愛に進む人はこう考えます。「やっぱり、はじめからファミレスはまずかったかな。次はレストランに誘おう」とか、「ジーンズでデートっていうのが敗因かな。つぎはワンピースにしてみよう」というように、とにかく「方法」にだけ注目するんです。
勉強もこれと全く同じで、たとえば、「苦手科目にばかり時間を割いてたけど、次は得意科目から勉強してみよう」「テストのとき、第一問から解くのはやめて、次は最後の問題からやってみよう」などと、戦略にこる癖をつけてください。そのうちに、その科目に挑んでいくこと自体に、なんらかの価値が見出しやすくなります。次はどう攻めようかと、ファイトがわいてくるんですね。
以上が、一見『価値』のない勉強に、面白さを見出すための心理学でした。これは勉強に限らず、部活動でも恋愛でも生徒会活動でも、すべてに通じることです。この発想、今年からさっそく意識してみてください。人生そのものが変わってきますよ!
心理学では、性格のなかでも、とくにその中核となるものを、「気質」とよんでいます。自分ではなかなか気づきにくいものですが、この気質というものは、実は私たちの普段の行動に大きな影響をもたらしているのです。
ユングやアイゼンクといった心理学者は、この気質のなかでも、とくに2種類のものに注目してきました。この説は現代になっても覆されておらず、性格判断をする際に大いに活用されてきている説なんです。
それは、「外向的」VS「内向的」という分け方。あなたは、自分で外向的だと思いますか? それとも内向的なタイプ? ここで簡単にチェックするために、シミュレーションテストをしてみましょう。Q:お友だちが緊急入院したとき、あなたなら、どういう行動をとると思いますか?
①食べ物やお花などを買って、すぐに病院にかけつけてあげる。
②あえてすぐには病院には行かないで、「どうしてあげたらいいのかな」と迷う。さて、どちらのタイプでしょうか?
ここで①を選んだあなたは、実は、どちらかというと「内向的」な気質ということになるんです。この診断、ちょっと不思議に思いませんか。「え? 反対じゃないの? すぐにかけつけるのだから、外向的なんじゃないの?」と思われる方もいると思います。
しかし、字をよく見てみてください。内「向」的であって、内「交」的ではないというのがポイント。心理学では、なにかものごとを判断するときに、その判断基準を自分の「内側」に持っているタイプなのか、他者や状況などの「外側」に持っているかということを、性格基盤としてとても重視しているのです。
「もしも自分だったらすぐに駆けつけてほしいなあ」とか、「すぐに顔を見に行くのが常識でしょう」……、といった評価軸をしっかりと心に持っていて、とっさのときにはそれに照らしあわせながら動く、という傾向にある人は内向的ということになるのです。
こういう人は、勉強法も自身で信じた方法を貫いたほうが、納得して最後までやり通せる傾向があります。また、自分オリジナルの勉強法を開発したり、自分にあった計画を立てたら、それを忠実に守る傾向もあります。周りの情報にあまり振りまわされずに、自分で「これだ」と決めた進路や、勉強の方法を信じて、それを貫くほうが性格にはあっているでしょう。
今後の進路を考える際にも自分の「性格」が参考になる反対に、②を選択した方。
心理学では、「外向的」と呼ばれる種類の人たちです。この方たちは、内向的の真逆で、「どうしようかな」といった迷うできごとがあったら、即座に、「相手はどうされたいかな」というように、周囲の空気を読もうとする気質の人です。
「すぐにでも駆けつけたいけど、そんなことしたらかえって迷惑になるんじゃないか」とか、「友だちは、弱っている顔をあまり自分に見られたくないかもしれない」などと、自分の感情はカヤの外において、相手のことを想像しながら行動を決める人です。つまり、精神エネルギーを、常に「外」に向けるタイプなんです。
こういう人は、勉強方法などでも、「自分が好きか嫌いか」というよりも、「一般的に、どういうものが効率的だといわれているのか」というトレンドを信じて、それを忠実に守る傾向があります。ですから、自分ひとりで勉強法や学習計画を立てるよりも、いろいろな資料や参考書を足がかりにして、そのなかからピンと来るものを選ぶほうが、長く続けて勉強することができます。また、ひとりで勉強するというよりも、勉強仲間を作って、誰かをお手本にするのも得意なタイプだといえます。
ちなみに、内向的な人、外向的な人、これには決して「優劣」はありません。その人が独自に持つオリジナリティであるだけです。
ご自身の気質をつかみ、それに逆らわない学習方法をとったほうが、楽しく、納得した受験勉強ができます。また、これからの将来も、いろいろな進路選択が待っています。自分にあった進路を見つけることにおいても、ご自身の気質はとても参考になると思いますよ。
卵(フォスファチジルコリン)
卵には記憶に関わる神経伝達物質の原料となるフォスファチジルコリンが含まれるほか、体温を上げる効果もある。毎朝食べたい食材。青背の魚(DHA)
「魚を食べると頭が良くなる」と言われるように、サバやマグロなどの青背の魚には記憶力や判断力を強化するDHA が多く含まれる。緑黄色野菜(β-カロチン)
緑黄色野菜には、DHA の酸化を防ぐβ - カロテンが多く含まれている。青背の魚とセットでとると効果的だ。
夏期講習などに参加すると、同じ志望校をめざしている「自分よりできる人」に出会うこともあるだろう。自習室で勉強していると、周りが自分よりも賢く、頑張っているように見えることもあるだろう。周りの人と自分とを比較することは悪いことではない。ただ、表面的な結果のみを比べて自分のダメさに落ち込むのではなく、過程を比較するべきなのだ。自分よりすごいと思える人や最近学力が伸びた人は、何らかの努力をしているはずだ。どんな勉強法が効果的だったかなど、素直に話を聞いてみよう。夏休みはいろんな人に出会い、いろんな情報を得られるチャンスだ。頑なになるべからず。できるヤツは活用すべし!
・(大学受験の)学科教材モニター募集
・物理入門(これは、セミナーを行わずに、上記の学科教材モニターの
モニター内容にまわされる可能性もあります。化学については、現段階の構想では、
上記の学科教材モニターにまわされる可能性が高いです)
・古文単語200を1日で覚える(これは、セミナーを行わずに、上記の学科教材モニターの
モニター内容にまわされる可能性もあります)
「(学校で教えている内容について)
どこをチェックしたらいいのですか?」という質問をいただきました。
できれば、子供の復習のためにも、
ひととおり、授業内容を(ノートを見ながらでOKなので)
ざっとでも口述してもらうようにするのが最良だと思いますが、(ただ、このときに、「怖い顔でチェック」しないでくださいね、
「採点スタンス」ではなく、「お話を楽しく聞く」というスタンスで)ポイントを絞り込むならば、
・社会の悪、家庭の悪として、どんなことがあると思うか
・視聴覚室(黒いカーテンを閉める部屋)で、どんなビデオを見たかこの2つを、「うんうん、そうなんだ( '-' )( ,_, )( '-' )( ,_, )」っていう感じで、
聞いてあげると良いかなと思います。
「チェックする」という単語で考えると、怖い顔になってしまう人は
「確認する」「(子供のことをよく理解するために、子供の成長のために子供が
何を教わっているかを)把握する」など、別の言い方を探してみてください。単語から感じるイメージには、個人差があります。
ですので、理性的に意味を把握したら、
感覚的な部分を(自分用に)調整した表現を作ることで、自分自身の日常の思考に使いやすくなります。
今、「視聴覚室」と書きましたが、
これは、テレビや映画には、強い影響力があるからです。ですので、そこで見た内容について、
子供からお話を聞いて、それについての
(親とのしての)sasaharaさんの意見・感想を伝えてゆくことが
大切だと思います。(これをぼくは、「レビューを入れる」と呼んでいます。
「レビュー」については、今夜も真っ裸第99夜その1 http://sapphire397.jp/cc.php?t=M1442&c=5629&d=a0c8
その2 http://sapphire397.jp/cc.php?t=M1443&c=5629&d=a0c8を参照。)
また、すべての学校に「視聴覚室」があるわけではないと思います。
子供の話を理解するには、
学校の施設の場所を把握しておくことが
とても大事なので、できれば、学校を訪れた際に、
どこにどんな施設があるかを見たりすると
効果的です。(予習のために役立つのが「校内案内図」です。
最近は、HP上でも見れますし、学校からいただく資料にも
掲載されていると思います。)子供の話を聞いていて、場所がよくわからない場合は、
「校内案内図」「構内案内図」を取り出して、
見ながら聞くようにしてみてください。これは、勉強をしていてわからない単語が出てきたときに、
用語集や辞書を調べることと同じです。
そして、しばらく「校内案内図」で予習してから、
実際に学校に行ってみると、「文字だけで覚える」
「五感のイメージで覚える」ことの差を体感できると思います。
これは、「子供に勉強法を伝える」際の重要な体験になると思います。
子供に伝えるときには、「ルール」だけでなく、
「自らの体験」を楽しく、おもしろおかしく、
ジェスチャーを交えて伝えることが効果的です。子供用のお話(教訓を伝えるためのもの)も、
教訓だけを文字で伝えるのではなくて、お話から入っていることも
参考になります。また、学校にいったときにできればやってほしいことは、
子供の席に座ることです。席に座るのが無理でも、
廊下にちょっと座って、子供の目線の高さで見渡してみてください。それが、あなたの子供が頻繁に見ている景色だからです。
特に、小学生の子供の場合、
校庭の景色は、目線の高さが違うと大分違います。子供と一緒に歩いているときに、
子供に話しかけるために、子供の目線に合わせて座って
話しかけてみてください。そのときに周囲を見渡せば、あまり恥ずかしい思いをせず、
子供の目線の高さを体験することができます。学校に行って、子供の目線の高さでは無く、
親の高さだけでしか見ないならば、
せっかく「子供の話を理解する」ための情報を得られる機会を
逃していることになってしまいます。
この発展に、「人間関係図」などもあります。
子供の話を聞いていると、友人や先生が出てくるので、
その関係を図示することができます。そうすれば、子供が複数のコミュニティに属していることも
わかってきます。(友人も、趣味のつながり[クラス横断的]、クラスのつながりなど、
いくつかのコミュニティに分かれていることが通常です。
また、特に注目するべきは、学年横断的コミュニティであり、
そこでは、年齢による上下関係が生じるため問題が起こりやすいですから、
子供とおしゃべりしながら、そのあたりの情報をさりげなく取っていってください。)そういう資料を作ってゆくことで、
特にコミュニケーションの時間が少ない人は、
子供の話を理解するレベルを上げることができると思います。子供の目の前で作る場合は、
「どうして、そういう図を書くの?」
と聞かれることがあると思います。
そうしたら、
「○○(子供の名前)のお話を、よく理解したいからだよ。
聞いたままにすると、忘れてしまうから、
ノートにして、残しておくんだよ」のように説明してあげると良いと思います。
さらに、登場人物ごとにシートを作って、
お話を聞いた時系列で情報をノートしておくと、
とてもわかりやすくなり「ノートを作る」効果を
体験できると思います。