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中性子の発見
小問(1)おそらく、「光の粒子性」というトピックが隠れているような
気がします。ベリリウムという物質に対して、
α粒子という「ボール」をぶつける。
そうすると、ベリリウム放射線という名称がつけられている
「別のボール」が、物質からたたき出される。
放射線という現象は、「何かが光っている現象」として
とらえられるけど、問題を解くときは、ボールとボールの衝突の
問題としてとらえて、方程式を書き下すのがポイント。
この問題のテーマは、様々な実験を組み合わせて「別のボール」
の正体を割り出すというもの。
「ベリリウム放射線」というボールの衝突前速度と、衝突後速度を設定。
「ベリリウム放射線」というボールの質量も設定。
「反跳陽子」というボールの質量、衝突前速度と、衝突後速度設定。
衝突の前後で運動量が保存するという法則の適用と、
衝突の性質が完全弾性衝突だということから書き下せる式を書いて、
連立させることになる。
小問(2)反跳陽子、反跳窒素原子核の運動エネルギーは与えられているので
(1)で求めた陽子と窒素原子核の質量を代入すれば、
それぞれの速度を求めることが出来る。
小問(3)(1)で書き下した二つの方程式をそれぞれ、Mについて解く。
(2)で求めた速度の値を代入すると、Mが出る。
小問(4)運動量の保存則。(ただし、原子物理のバージョン)
エネルギー保存則。(原子物理のバージョン)
この二つの連立から、プランク定数と振動数の積を出す。
小問(5)ベリリウムにα粒子をぶつけると、炭素原子と中性子が出来るという式。
小問(6)α粒子の運動量から、鉛の同位核の運動量差し引くとゼロになる。
RaGの運動エネルギーの式に、上の式、運動量の等式を代入すると、
RaGとα粒子の質量の比に、α粒子の運動エネルギーをかけたものに
変形できる。問題設定に与えられた数値を代入して、答えがでる。
wikipedia:ジェームズ・チャドウィック
次に放射性崩壊。
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小問(1)単なる知識の問題。
小問(2)Tに与えられた時間を代入。結果が0.5になる。
両辺の対数をとり、方程式を解く。
(ロ)表記上省略。
小問(3)(ロ)から、ΔTをのぞく。そこにMをかけてやる。
MとKの積もまた、減少分を示す。
これで、すべての減少分を尽くしたことになる。
この値が、放射性炭素の増加ペースと同じであれば「平衡」で
あるといえる。
小問(4) 容器に詰め込んだ放射性炭素の原子の数を計算する。
大気中の炭素の中から、放射性炭素がある割合はrで与えられている。
アボガドロ数と、rの積によって、放射性炭素の数は出る。
この数は1molあたりの数であることが大事。
容器に詰め込んだ、空気の体積は10cm^3、22.4リットルで
割ってやることで、mol数を出す。
ここに、時間の積をとることで、欲しい数値が出せる。