高校の音楽の授業でレーザーディスクで鑑賞する機会があった。
ピンチョンの小説で、引用があったのであらすじを確認する。
ザルツブルグが舞台で、そうそう。きっとオーストリアへの観光旅行客を引き寄せた立役者だったんだろうくらいは
覚えていたけど。
改めて、物語としてNazisと絡んでいたんだなと。Gravity Rainbowを「眺めて」ちょっと第三帝国漬けに
なってから、びっくり。
ピンチョンがGRを執筆しているとき、この映画のことは念頭にあったんだろうか。
時期的にはこっちの映画がはやいけど。
ヒロインのマリアは家庭教師。
子供への「教育」というものが一つのテーマになっている。
堅苦しいもの、権威的なものの、刺々しさを排除して、柔らかなものにして伝えていくというような
基本姿勢のようなものがこの動画一つとってもある。
スロースロップというキャラクターの特性にしても、ああいった奇抜なキャラを配置することで
世界大戦というテーマを砂糖でコーティングするような機能をある意味果たしている。
正確な引用は、忘れたけど、ピンチョンの副読本関係を読んでいると、たしか「ポルノ業者」というものまで
出てきた。そこまで極端でないにしても、GravityRainbowに影響をうけたロックバンドなども結構あるところを
みると、「訴求力」というものはあったんだなと。

二人が新婚旅行に行っている間に、アンシュルスに伴いドイツ軍がザルツブルクにも駐屯していた。ある日、出かけ先で会ったロルフがリーズルに大佐宛の電報を託すが、ロルフはリーズルに対しどこか冷たくなっていた。ロルフはオーストリアナチス党の突撃隊員になっており、ナチス式敬礼をした上に大佐もドイツ軍人としての任務に就くよう忠告する。一方、母国の不穏な雰囲気を察して急いで新婚旅行から戻った大佐の家には今やドイツのみならずオーストリアの国旗となったナチス旗が掲げられており、激昂した大佐はその旗を引きずりおろす。また、マックスは子供たちを合唱団として売り込む事を諦めておらず、大佐が居ない間にコンクールへの出場を決めてしまっていたが、大佐はなおも反対した。リーズルから渡された電報は、有能な軍人であった大佐を欲するドイツ第三帝国海軍からの出頭命令であった。愛国者でありドイツのオーストリア併合に反対する大佐は、ドイツ軍の言うとおりに出頭する気はなく時代の大きな波を感じとり、命令を無視し中立国であるスイスへ一家で亡命することを決意する。
その晩、トラップ一家が亡命する為に屋敷を出たところでドイツの官吏が待っていた。実は大佐邸の執事でオーストリアナチス党員のフランツが亡命の計画を密告していたのである。官吏は出頭命令のもと大佐を新たな任務先へ護送しようとするが、大佐は自身が反対していた歌のコンクールを口実にし、官吏はコンクールが終わり次第護送するという条件を出して、護送の延長を許した。ナチス突撃隊らの厳重な監視の下、ザルツブルクの祝祭劇場で行われたコンクールで「ドレミの歌」[15]と、オーストリアの愛国歌(という劇中の脚色で)「エーデルワイス」、「さようなら、ごきげんよう」を歌う一家。審査の結果、トラップ一家が優勝するが、その表彰式の隙に家族は逃げ出す。
家族はマリアのいた修道院(ザルツブルクにあるノンベルク修道院)に逃げ込むが、ナチス突撃隊も修道院を捜索する。その中にはロルフもおり、一家が墓場に潜んでいることに気付いたロルフは銃を構えるが、長女と大佐に声をかけられ一瞬躊躇する。同行するよう諭す大佐に反発したロルフは大声をあげ上官に通報するが、一家は裏口から車で逃走する。ナチス突撃隊も追跡しようとするが車のエンジンがかからない。修道院長に対し罪を犯したと嘆く修道女たちの手には、その車から外された部品[16]が握られていた。
国境線が全て閉鎖されているため、家族は山を越えて逃亡先のスイスへと向かう「すべての山に登れ」。