Inherent Vice

Inherent Vice

読了。
今までに読んだピンチョン作品の中で最速スピード。
おそらく1週間かかっていないかも。
でも、なにがなんだかわからない状態で終幕を迎えたことには
かわりがなかったような気がする。

殺人事件が起きていることはわかったけど。
この事件がどういう形で解決されたのかとかは、はっきりしない。
ダンブラウンとか読んでいると、細かい犯行のトリックみたいなもので
読み落としがあったとしても誰が犯人なのかとか。
そういう大きな筋みたいなところで迷路にはまることはない。

でも、ピンチョン作品だ、そんなに長い作品ではなくても
登場人物が多いので、まずそこでつまづきやすいということがある。
主人公のDocと警察の関係もどうもわかりにくかった。

舞台設定は
1960年代、1970年代のアメリカ西海岸。
LAの地名はよく出てくる。
どんどんかわっていくシーンの中で、
立ち寄った飲み屋に設置されているジュークボックスで演奏させる
曲だったり、
登場人物がテレビをつけたときにやっている番組や、
会話での映画やミュージカルの引用などが
時代の演出を仕掛けていく。

BleedingEdgeの読み込みの時に
いろいろな資料(ほとんどウィキぺでぃあかYouTube)
を確認したけど。
今回も、ピンチョンが創作をするに当たって得意としていそうな
データベースはしっかり使われているように思います。
第三帝国を暗示する小道具。
ミュージカル
映画
などの知識。
すこしだけ、ユダヤ教を連想させるもの。
サイケデリック関連。
当時の人気のアニメや漫画の知識。(今回はゴジラ登場。)
BleedingEdgeでもドラゴンボールAKIRAが登場したけど、
そういう流れはこのInherentViceでも健在でした。
今回はスピード重視で読んだので、Wikiの読み込みも
あまりしないで、さっと通り過ぎた感じです。