wikipedia:武谷三男

京都帝国大学理学部を卒業後、原子核素粒子の研究を進めた。その一方、ファシズムを標榜する雑誌『世界文化』に参加するなどしたため2度にわたって検挙された。戦時下には理化学研究所を中心とする原子爆弾の開発(ニ号研究)にも関わっていた。1943年にロシア人医師ピニロピ(バルチック艦隊艦長の孫。後に武谷病院を開設)と結婚。

http://twin.blog.ocn.ne.jp/physicomath/2010/04/post_4f0f.html

そういえば、武谷三男のエッセイに「ショパンがもっとも美しく聞こえたとき」とか何とかいうエッセイがある。これは彼が特高に捕まって留置所に入れられ、取調べを受けていたときに取調室から留置室に帰ろうとしたときにどこかのラジオからショパンの曲が流れてきて、それをしばし、たたずんで聴いたとかいうものである。

数値計算 (情報処理入門コース 7)

数値計算 (情報処理入門コース 7)

筆者 戸川 隼人
http://artsci.serveftp.com/award/togawa.htm

[1]コンピュータひとすじに50年
1958年に東京大学で開発中の真空管式電子計算機 TAC の開発に従事したのを皮切りに、
1960年代には航空宇宙技術研究所で、風洞計測、軌道計算、構造解析などにコンピュータを利用する研究、
1970年代には、有限要素法、大型数値計算、統計解析など、計算技術の研究、
1980年代には、パソコンやワークステーションの新しい応用を模索し利用技術を開拓。
1980年代後半、日大とMITメディアラボの共同研究プロジェクトに参画、
1990年代以後は、数理造形(後述)の研究を進めるかたわら、マルチメディア、ネットワークなど、新しい技    術の実践と普及に取組んできた。

50年間に100冊を越す専門書を書いた。代表作としては
  マトリックス数値計算オーム社、1971)
  数値解析とシミュレーション(共立出版、1976)
  数値計算法(電子情報通信学会編、コロナ社、1981)
  マイコンによる有限要素解析(培風館 1982)
  花のCG(サイエンス社、1988)
  数値計算岩波書店、1991)
  演習と応用JAVAサイエンス社、2001)
などがある。

本書目次

浮動小数点演算の丸め誤差
1-1 浮動小数点形式
1-2 2進法
1-3 丸め誤差
1-4 丸め誤差の影響
1-5 丸め誤差への対策
演習問題

book-loverの日記
近似式のプログラミング - book-loverの日記
すでに、コンピューターに計算をさせるときに、知っておかないといけない数値の
取り扱いの作法についてです。
既出事項なので、なんとかついていきました。

非線形方程式
2-1 直接探索法
2-2 逐次近似法
2-3 ニュートン法
2-4 その他の解法
2-5 関連技法
演習問題

紙と鉛筆だけで、答えを探していく「受験数学」チックなアプローチと、
コンピュータを、「手下」として方程式の解を探していくアプローチの基本的な
相違がわかります。
「オイラーの贈り物」も読む 第4回 - book-loverの日記

3代数方程式
3-1 代数方程式の性質
3-2 根の公式
3-3 ニュートン法の応用
3-4 ベアストウ・ヒッチコック
3-5 DKA
3-6 その他の方法
演習問題

「オイラーの贈り物」も読む 第4回 - book-loverの日記
ここで登場する計算方法に関しては「オイラー贈物」が詳しく、わかりやすかった。

4連立1次方程式
4-1 ガウスの消去法
4-2 LU分解
4-3 計数行列が特別な形の場合
4-4 まとめと補足
演習問題

中学生が、数学を学んでいるときは、連立方程式は手計算で解を
求めていきます。
大学レベルになると、こういった「作業」は「コンピュータ」の仕事になります。
「コンピュータ」に任せる方法を学ぶために、中学と高校の数学課程はあるような
ものかな。
これは、自分への確認の意味もこめて。

5 逆行列行列式
5-1 逆行列の計算法
5-2 逆行列を使わない方法
5-3 行列式の値の計算法
演習問題

行列の扱いに苦手意識がある人は、
book-loverの日記
「ゲームプログラミングのための3Dグラフィックス数学」も読む 第2 - book-loverの日記

6 行列の固有値問題
6-1 数学的背景
6-2 対象行列の固有値の計算法
6-3 非対称行列の固有値の計算法
6-4 その他の解法
演習問題

ここら辺になっても、「数学」の勉強で知ることができる範囲のこととして
高度な内容はそんなに入っていないと思う。
ただ、それをプログラミングという手法で、固有値や、固有ベクトルを計算しよう
という話になってきた段階で、
「なぜ、プログラミングを、こうやって書くと、答えが出るのか?」
「なぜ、数学の教科書に書いてある一般的なメソッドにかわって、「ある手法」だと
誤差が少ない解が求められるのか?」
こういったところで、つまづきやすいです。
実は、私は、そういうレベルで、だんだん、ついていくのがしんどくなってきました。
プログラミングで、解を求めさせるときに都合がいい「解法」というのを理解する
必要があるとき、そこには、「数学者」としてのセンスが求められるわけです。
手計算を前提にした「数学」ではAというアプローチ。
プログラミングを前提にした「数値計算」ではBというアプローチ。
この相違は、いかなる根拠で、いかなる理由で生ずるのかということの説明は
高いコミュニケーション能力と、理解能力が要求される。

行列や固有値を扱う数学の教科書で、いいものがあったら、教えてください。

7 補間法
7-1 線形補間
7-2 ラグランジュ補間
7-3 等間隔の数表の補間
7-4 スプライン補間
演習問題

ゲームプログラミングとの関連がわかりやすくなってくる
あたりにはいってきます。
実用性が目に見えるところになってくるにしたがって、数学的な説明が
あやふやになっているように思います。
「どういう問題に、解を出したいのか?」
「コンピュータの出力結果として、何が出てくるのか?」
数値計算の振り出しと上がりのところだけ、おさえておけば、
「過程がどうして、こうなっているのか、わからないけれど、ある計算問題の解が
欲しいとき、あるプログラミングを使ってしまうと、解決できる」
という「実務的」なアプローチが可能になります。

8 数値微分と数値積分
8-1 数値微分
8-2 数値積分

いよいよ、本丸。
微分積分についてだけ書いてある教科書には書いていない、「コンピュータ計算特段の事情」というものが、導入されてくる。

今日から使える微積分 (今日から使えるシリーズ)

今日から使える微積分 (今日から使えるシリーズ)

9 常微分方程式
9-1 簡単な例題
9-2 一般論と簡単な公式
9-3 ルンゲ・クッタ法
9-4 陰公式
9-5 高階および連立の微分方程式
演習問題

「今日から使える物理数学」 効用について - book-loverの日記
微分方程式に関する「数学的説明」は理解できる
これが、「数値計算」の領域になったとたんに、わかりづらくなる。

10 偏微分方程式
10-1 基本事項
10-2 ラプラース方程式
10-3 熱方程式
10-4 波動方程式
演習問題

物理計算を理解する上での、数学者の役割について - book-loverの日記
ここになってくると、どうにもついていけません。
やはり偏微分方程式の教科書をプロパーで読む必要が
出てきます。
なにか、オススメの本はありませんでしょうか?
再来「ゲームプログラミングの数学」 - book-loverの日記

さらに勉強するために(参考文献か?)

BASIC数値計算法

BASIC数値計算法

数値計算―方程式の解法 (1981年) (理工系基礎の数学〈12〉)

数値計算―方程式の解法 (1981年) (理工系基礎の数学〈12〉)

偏微分方程式の差分法による近似解法〈上〉 (1968年) (数学叢書〈第1〉)

偏微分方程式の差分法による近似解法〈上〉 (1968年) (数学叢書〈第1〉)

偏微分方程式の差分法による近似解法〈下〉 (1968年) (数学叢書〈5〉)

偏微分方程式の差分法による近似解法〈下〉 (1968年) (数学叢書〈5〉)

関数解析の基礎 (現代数学ゼミナール)

関数解析の基礎 (現代数学ゼミナール)

スミルノフ高等数学教程 11―V巻[第一分冊]―

スミルノフ高等数学教程 11―V巻[第一分冊]―