東大脳の作り方 (平凡社新書)

東大脳の作り方 (平凡社新書)

東京大学理科3類に現役合格した学生による
「体験的受験教育論」というものなのかな。
「東大脳」という言葉が、一体、どうやって出回る
ようになったのか、その端緒を知りたいところです。
検索をかけたところ、この言葉を書名のタイトルにつかっている本はいくつかありました。
しかも、この書籍の出版された時の前です。
しかも、かなり広範に使われています。
東京大学の入学試験の合格するような人の脳」
そういうことなのでしょう。
たしか、この本にもそんな定義みたいなものがあったらしいですが。
登場する保護者もユニーク。
どうやら、父親は、防衛大学出身の制服エリートの
ようです。
日本版WestPointということで、訓練大好き。
教育大好き。
まだ、寝返りを打てるかどうかの筆者に
筋力トレーニングをやらせていたというのですから
かなり個性がある人なのでしょう。
ご本人も、退官したら医学部受験するとかいっていると
どこかに書いてあった。
本を読む限り、本当に「再受験」するのではないかと
思いました。
この父親が、筆者が中学受験で、首都圏のトップ女子校
である桜蔭に合格を果たすところまでは、
筆者の教育にコミットしていくことになります。
なんでも、「中学受験をするかどうか。」
「どこを受験するのか?」
ということに関しては、この父親の「独断」だったそうです。
中学受験が終わった時点で
「私の役割は終わった。」
といっていたと書いてあります。
たしかに、妥当な関わり方だったのかな。
http://hkmurakami.com/archive
このブログのどこかで、Appleのことを
書いてあったものがあります。
いま、すこし調べてみましたが、お目当ての記述が
見つからない。
たしか。
「生活を変えることができるプロダクトが優れている。」
SteveJobsという経営者がなぜ故にシリコンバレーという
場所で、傑出したビジネスマンとして評価されているのか
ということの最大の根拠はここなのだろうと。

本書の筆者の父親がやったことは、自分の娘に
「生活の基盤」をたたき込んだことなのかもしれません。
それがエンジンとなり、
センター試験860点台、
東京大学理科3類現役合格 440点中、ほぼ290点以上
というハードルを越えさせたのだと思います。
理科三類の合格体験としての価値もないわけでは
ないと思います。
数学の参考書として、使用したのは本ブログでも
幾度か取り上げている青チャート。
そして、東大理系数学の本番の演習に備えるために
Z会の東大コースを受講したとのこと。
駿台の東大コースに在籍したこともあったようですが、
その運営の単調さにげんなりして、自分で
勉強したほうがいいという結論になったと。
そんなことも書いてありました。
選択した理科は生物と化学。
王道が、物理と化学であることを考えると、
ご本人の数学への苦戦は、かなりのものだったようです。
そのあらましも、本書を読んでいるとわかります。
そういうわけで、たしか20才になるのかならないのか
というタイミングで、自分の書いたものを世の中に
出すという体験は、彼女は積むことが出来たという
ことになります。
最近、彼女はこの第2弾を出版していました。
それは、また次のエントリーで取り上げたいと思います。
内容がどうあれ、ある構想をもって、
一冊の本にまとめ上げるというのは大事な才覚だと
思います。
そしてそれは、はやければ、はやいほどいいのでは
ないかなと。
インプットとアウトプットのバランスの取り方に
ついて、はやいうちから、考えることが出来ますから。
それも善し悪しがあるのかもしれませんが。
筆者の学校の中では、鉄緑会やSEGという大手の
進学塾に通う生徒さんが多くいたそうです。
でも、筆者は、そういう道は取らなかった。
このパターンは、このブログでも何度か取り上げている
吉永賢一氏という家庭教師にも共通するものがあります。
そして、その合格ノウハウを何らかの形で
共有可能なものにしていくためにはどうすればいいのか
という発想が根底にあるように思います。
両者がともに、有力な学習塾には通うことなく、
理科三類の合格ノウハウを拡散させるための
手立てを考えるというのは、何かしらの示唆があるのでは
ないかと思いました。
http://ameblo.jp/wadahideki/entry-11162344888.html#main

長年、本気で取り組んできた地方の子どもたちに最高の受験情報と勉強のやり方を伝える、志望校別の受験指導の緑鐵受験指導ゼミナールは、私にとっては血をわけた子どものようにいとしい

数年前、その通信教育から東大の理?にトップの成績で(東大は得点開示をしているのでわかる)に入った子がいたことは、弟子が師匠を越したような気がして本心から嬉しかった
ただ、東京の受験事情や受験産業というものは思ったより厳しい
既存の名門塾の人気が高く、私の名前をもってしても、実績を出さないことには入塾希望者が増えない