難系 問題の着想 その4 例題23 例題24
例題23
落下してくる小物体がもつ運動量と、衝突してからの小物体と、バネに取り付けられている板
の運動量の間で、「運動量保存則」が適用されるということがおさえられているか。
それと、わざわざ、問題文中で「完全弾性衝突」といわれているので
衝突係数が1であるということからの方程式もきちんと立てるようにする。
ここが、できると、他の設問はそんなにつらい部分がないと思う。
この前の設問では、小物体は、「完全弾性衝突」によって、板にあたってすぐに
離れることを前提に方程式を解くという流れ。
ここでは、うってかわって、「非弾性衝突」ということで、
小物体と、板は、衝突してから、一体になる。
ここで、最初のほうの設問で立てた運動量保存則を立て直すことになる。
そして、衝突して一体化した小物体と板が、目一杯、バネを縮めるときに、
バネの弾性エネルギーが、力学的エネルギーのすべてをしめるということに
まず気がつく必要がある。
弾性エネルギー100%の状態と、バネが釣り合いの位置にあるときの
力学的エネルギーの散らばり具合。釣り合いの位置にある分だけ、弾性エネルギーも
保有している。そして、釣り合いの位置にあるとき、板と小物体は、一体化したばかり
なので、「速度」をもっている。この一体化した固まりが「運動エネルギー」を
もっている。釣り合いの位置にあるときの、バネの弾性エネルギーと、一体化した
固まりがもっている運動エネルギーをあわせたものが、バネ下限ギリギリまで
縮んだときの弾性エネルギーと等しくなっている。ここで方程式が立つ。
例題24
以前の例題にも似たような問題が登場。
前半は、ひょっとしたら中学理科のレベルで処理できるかなというレベル。
(3)については、左側のバネのほうで、運動方程式を立てる。
加速度が、角速度の2乗になっていることを利用する。
(4)全体の伸びがわかっていたら、それを、左側の伸びと右側の伸びにわけた値を
計算できる。条件から、都合のよい三角関数をたてて、単振動の方程式をつくる。
(5)Aが、左側のバネからうける力はkXそのもの。これを利用したら、すぐに
でる。その時、マイナスの符号をわすれてはいけない。
(6)Aが右側からうける力と、左側からうける力で、釣り合いの状態が
実現していることを、式で表現する。
(8)は、今ひとつ、納得がいかない設問。とばそうかなと思う。